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健康ではあるが運動不足の人は、短時間の激しい運動の反復(高強度インターバルトレーニング)によって、心臓の機能を改善し、糖尿病などの病気のリスクを減らすことができるか?

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要点

  • 身体活動の不足が原因で、毎年、世界全体で推計538億米ドルの費用が発生している。運動は、特に普段あまり体を動かさない人にとって、心臓病のリスクを減らすための簡単で手頃かつ効果的な方法である。しかし、多くの人々は世界保健機関(WHO)が推奨する身体活動量を満たしていない。

  • 運動をしない場合と比べると、高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、体力を向上させ、腹囲を減らす可能性が高いが、収縮期血圧(血圧の上の数値)、ウエスト・ヒップ比および中性脂肪(トリグリセライド)の値については、運動をしない場合とHIITの間で明らかな違いはなかった。中強度の持続的トレーニングと比べると、HIITは体力をわずかに向上させる可能性があるが、血圧、腹囲、ウエスト・ヒップ比、および中性脂肪の値については、これら2つのタイプの運動の間で明らかな違いはなかった。

  • 得られた結果によると、HIITは、心臓の機能を改善し、2型糖尿病などの疾患リスクを減らす点において、中強度の持続的トレーニングと同じくらいの効果があるようだ。しかし、これらの知見を確かなものにするには、より質の高いエビデンスが必要である。

高強度インターバルトレーニングとは?

高強度インターバルトレーニング(HIIT)とは、短時間の激しい運動と休息を交互に繰り返す運動法である。

心代謝面の健康とは?

心代謝面の健康とは、心臓や血管の健全性ならびに食物から得たエネルギーの代謝の状態を意味する。これには、血圧、コレステロール値、血糖値、体重といった重要な要素が含まれる。これらが正常範囲内にある場合、心臓病、脳卒中、2型糖尿病などの疾患を発症するリスクは大幅に低くなる。

何を調べようとしたのか?

運動不足の人々がHIITを行うと、運動をしない場合や中強度の持続的トレーニング(MICT)よりも効果的に心代謝面の健康指標を改善できるかどうかを明らかにしたいと考えた。

何を行ったのか?

HIITが心代謝面の健康指標に与える効果を、運動をしない場合やMICTと比べて調査した研究を検索した。中でも、運動不足ではあるものの、健康な人々を対象とした研究を集めた。それらの結果を要約し、研究の方法や規模、示された情報の量などの要素に基づき、エビデンスに対する信頼度を評価した。

何がわかったのか?

運動不足の成人2,075名を対象とした58件の研究が見つかった。各研究の参加者数は14人から90人の範囲で、トレーニングプログラムの期間は4週間から16週間であった。35件の研究ではHIITとMICTを比較し、11件ではHIITと運動なしを比較し、12件では両方の比較が行われた。

主な結果

運動しない場合と比べて、HIITを行うと心肺機能の全体的なレベルを示す最大酸素摂取量(VO₂ max )を増加する可能性が高い。また、腹囲もわずかに減る。しかし、HIITは、恐らくウエスト・ヒップ比にはほとんど、あるいは全く影響を与えず、また中性脂肪(血中脂質の一種)の値にもほとんど、あるいは全く影響を与えない可能性がある。HIITが収縮期血圧(上の血圧)に与える影響に関するエビデンスは、非常に不確実である。

HIITを行うと、MICTと比べて最大酸素摂取量(VO₂ max) がわずかに増加するかもしれない。収縮期血圧と中性脂肪の値については、HIITとMICTの間に差はない可能性があり、腹囲やウエスト・ヒップ比についても、これら2種類の運動の間に差はないと考えられる。

心臓発作、脳卒中、死亡といった重要な長期的な健康の評価項目について報告した研究はなかった。

エビデンスの限界は何か?

結果の大部分について、信頼度は低いか中程度であり、今後の研究によって結論が変わる可能性がある。エビデンスの信頼度を低下させた主な要因は3つある。まず、受けた治療に対する研究対象者たちの反応にばらつきが見られた。第二に、一部の研究は規模が非常に小さく、また一部の評価項目については、結果を信頼するには研究数が少なすぎた。最後に、研究対象者は自分がどの治療を受けているかを知っていた。

エビデンスの更新状況

このエビデンスは、2025年10月13日現在のものである。

訳注

《実施組織》杉山伸子、橋本早苗 翻訳[2026.06.16]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013617.pub2》

このコクランレビューは、元々は英語で作成されました。翻訳の正確性は、当該翻訳を担当した翻訳チームが責任を負います。質の高い翻訳を保証するため、この翻訳は細心の注意を払って作成され、標準的なプロセスに従って行われています。ただし、不一致、不明確または不適切な翻訳の場合、英語の原文が優先されます。

Citation
Strauss JA, Kirwan R, Ranasinghe C, Schwingshackl L, Shepherd SO, Chaplin M, Sguassero Y, Petkovic J, Villanueva G, Dwan K. High-intensity interval training for reducing cardiometabolic syndrome in healthy but sedentary populations. Cochrane Database of Systematic Reviews 2026, Issue 3. Art. No.: CD013617. DOI: 10.1002/14651858.CD013617.pub2.

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