高齢者の高血圧症に対する薬物療法

この日本語訳は最新版ではない。英語の最新版をご覧になるにはここをクリックしてください。
著者の結論: 

中等度から重度の収縮期高血圧および/または拡張期高血圧のある健康な人(60歳以上)を治療することによって、総死亡率、心血管系罹病率、死亡率が低下する。総死亡率の低下は、年齢60~80歳の人に限定された。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

血圧上昇(高血圧として知られる)は年齢とともに増加し、60歳を過ぎると最も急激に増加する。収縮期高血圧は拡張期高血圧よりも心血管疾患と強く関連があり、高齢者にさらに頻繁に起こる。この年齢群における高血圧症の降圧治療の利益と有害性を知ることは重要である。

目的: 

軽度から中等度の収縮期高血圧または拡張期高血圧のある60歳以上の人を対象に、抗高血圧薬が及ぼす総死亡率、心血管系死亡率、心血管系罹病率、ならびに有害作用による薬剤中止への影響を定量化する。

検索方法: 

EMBASE、CENTRAL、MEDLINEの電子データベースの検索を2008年12月まで更新。2つの日本語データベース(1973年~1995年)および世界保健機関(WHO)-ISH Collaboration register(1997年8月)の先の検索。総説、試験および以前に発表されたメタアナリシスからの参考文献。ならびに専門家。

選択基準: 

高血圧の高齢者(最低60歳)を対象に、抗高血圧薬療法をプラセボまたは無治療と比較しており、罹病率および死亡率のデータを提供している最低1年間の期間のランダム化比較試験

データ収集と分析: 

評価したアウトカムは、総死亡率(心血管系、冠動脈疾患、脳血管の死亡率を含む)、総心血管系罹病率および死亡率(統合した冠動脈疾患および脳血管の罹病率および死亡率を表す)、有害事象による薬剤中止であった。

主な結果: 

中等度から重度の高血圧症に関する15件の試験(60歳以上の被験者24,055例)を同定した。これらの試験は主にファーストラインのサイアザイド利尿療法について評価しており、平均治療期間は4.5年であった。治療によって総死亡率が低下した(RR 0.90[0.84~0.97])。参加者1,000例あたりのイベント頻度は116から104に低下した。治療よって総心血管系罹病率および死亡率も低下した(RR 0.72[0.68~0.77])。参加者1,000例あたりのイベント頻度は149から106に低下した。孤立性収縮期高血圧の患者に限定した3件の試験では利益が同様であった。80歳以上の超高齢患者における総心血管系死亡率および罹病率の低下は同様であった(RR 0.75[0.65~0.87]。しかし、総死亡率の低下は認められなかった(RR 1.01[0.90~1.13])。有害作用による薬剤中止は治療により増加した(RR 1.71[1.45~2.00])。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Share/Save