早産児における輸血関連壊死性腸炎の予防のための経腸栄養の中断

レビューの論点

早産児において、バッグに入った赤血球輸血の前後に経腸栄養を中断すると、壊死性腸炎(NEC)の発症や死亡のリスクが低下するか?

背景

NECは重篤な炎症性腸疾患で、早産児の罹患率や死亡率が高いことが知られている。早産児がNECを発症する確率には、特定の栄養方法が影響していることはよく知られている。また、早産児が集中治療室に入院している際にしばしば必要となる血液バッグに入った赤血球輸血が、NECの発症に関与している可能性が示唆されている。赤血球輸血中の赤ちゃんへの経腸栄養とその後のNEC発症の影響については現在のところ不明であり、実践上の大きなばらつきがある。

研究の特徴

2018年11月までの医療データベースの検索により、輸血時の経腸栄養の中断の効果を評価した7件の研究が同定された。この7件のうち、1件は非ランダム化観察研究、4件は進行中の研究、1件は結果が得られず終了した研究である。22人の早産児を対象とした1つの研究のみをレビューに含めることができた。

主な結果

ランダム化比較試験では、輸血時の栄養方法がNECの発症に及ぼす影響について、限られたエビデンスしか得られていない。解析対象となったのは小規模な試験1件のみで、この試験では経腸栄養群、非栄養群のいずれにおいても輸血関連のNECの症例は報告されていなかった。

エビデンスの質

GRADE評価によるエビデンスの質が非常に低いことから、意味のある結論を出すにはデータが不十分であった。このレビューに対する答えを出すには質の高いランダム化比較試験が必要である。

訳注: 

《実施組織》 小林絵里子、杉山伸子 翻訳[2021.07.01]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012888.pub2》

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