小児のくる病治療におけるビタミンD、カルシウム、またはビタミンDとカルシウムの組み合わせ

レビューの論点

小児のくる病治療におけるビタミンD、カルシウム単独、またはビタミンDとカルシウムの併用の効果を評価する

背景

くる病は骨の病気で、低中所得国の子供たちによくみられる栄養上の問題である。くる病の子供には骨の変形が多く、成長障害や他の健康上の問題が発生することがある。ビタミンDの欠乏はくる病の最も一般的な原因である。そのためくる病は通常、ビタミンDを単独もしくはカルシウムと共に子供に与えて治療する。しかし日当たりの良い国々では、日光曝露によりビタミンDは十分であるため、食事からのカルシウム摂取が十分ではないと考えられた。そのため、子供たちのくる病を治療するためにカルシウムだけが使用されている。そこで本レビューは、小児のくる病治療にビタミンD、カルシウム単独、またはビタミンDとカルシウムの併用のいずれが最適かを評価することを目的に実施された。

試験の特徴

小児のくる病治療について、ビタミンD、カルシウム単独、またはビタミンDとカルシウムの併用を比較したランダム化比較試験(対象者をランダムに2つ以上の治療グループに振り分ける臨床試験)を4つ取り上げた。試験に参加した286人の小児は6ヶ月から14歳までの年齢だった。治療後のモニター(観察)期間は12週間から24週間であった。

エビデンス(科学的根拠)は2019年7月25日現在のものである。

主な結果

カルシウムのみまたはビタミンDとカルシウムを併用してくる病を治療すると、ビタミンDのみを使用する場合と比較して、治癒を向上する可能性があるとのエビデンスが得られた。骨折への効果について、カルシウム単独とビタミンD単独とを比較した結果は得られていない。骨折への効果や他の副作用について、ビタミンDとカルシウムの組み合わせとビタミンD単独とを比較した結果は得られていない。くる病の治癒や骨折、副作用に対する影響について、カルシウム単独と、ビタミンD とカルシウムとの組み合わせを比較した結果は得られていない。

成長パターン(身長や体重、および年齢を考慮した身長や体重の変化)、あらゆる原因による死亡、社会経済的影響(治療費、病気や仕事により世話をする人が不在であるといったリソース不足、病院や医療施設の訪問費用)、健康関連のQOL(生活の質)について報告された研究はなかった。

エビデンスの信頼性

本レビューのすべての結果はエビデンスの信頼性が低いか非常に低い。不確実性の主な理由は試験の参加者数が少ないこと、レビューで扱った試験数が少ないことである。一部の試験では実施された方法が原因で不正確な結果や誤った結論に達した可能性があり、このことも不確実性に寄与した。

訳注: 

《実施組織》加藤仁美 翻訳、榛葉有希 監訳[2020.05.03] 《注意この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクラン日本支部までご連絡ください。 なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。《CD012581.pub2》

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