黄疸のある乳児への光線療法時の反射材の使用

レビューの論点:治療器の側面に吊るした反射材のカーテンを使用することで、光治療効果が向上するかどうかを調べたいと考えた。

背景:黄疸(皮膚の黄色の変色)は、赤ちゃんの最大60%に発生する。これはビリルビンの蓄積によるものである。ビリルビンの軽度の上昇は正常とされているが、非常に高い場合には、ビリルビンが脳に入り込み、脳障害を引き起こす可能性がある(訳注:ビリルビン脳症)。年齢別・リスク別ガイドラインを用いた治療は、ビリルビンがこれらのレベルに到達しないようにすることを目的としている。黄疸には通常、光線療法(特定の波長の光を体に当てる)が行われており、皮膚に当てる光の強さがビリルビンの減少率を決定する要因の一つとなっている。光の強度を高めるための潜在的に安価な方法は、反射材を使用することである。懸念されるのは、このカーテンが赤ちゃんの視界を遮ってしまうのではないかということである。

研究の特性:ランダム化比較試験(RCT)を選択した。検索は2019年11月1日でアップデートされた。

主な結果:合計1288人の赤ちゃんを対象とした12の研究が確認できた。このうち、11個がシングルユニットの光線療法機の周囲に反射材がある場合とない場合を比較した。1つの試験では、光と反射材を1つのユニットにした場合と、カーテンのない2つのユニットにした場合を比較していた。反射材の種類には、白いプラスチック、白いリネン、アルミニウムなどがあり、ベビーベッドの三方または四方に配置されていた。

1132人の赤ちゃんを含む11件の研究で、主要な転帰であるビリルビンの低下について十分なデータが得られた。第1の比較例では10個、第2の比較例では1個である。

3つの研究では、4時間から8時間でビリルビンの減少が報告されていた。小さな、しかし臨床的に重要である違いでカーテンの使用を支持する中程度のエビデンスが示された。24時間にわたるビリルビンの低下は、9つの研究で測定された。どの研究もカーテン群ではビリルビンの低下が早いことを示していたが、低下のばらつきが大きく、効果の大きさを推定する意味がなかった。光線治療の持続時間を報告している4つの研究では、反射型カーテンを使用した場合の方が短いことが示されているが、これは確実性が非常に低い。2つの研究から得られた中程度の確実性のあるエビデンスによると、介入により入院期間がほぼ2日短縮されることが示されている。また、カーテンによる赤ちゃんの遮蔽による体温の不安定化や急性の生命を脅かすような重大な有害事象の報告はなく、その他の軽微な影響の報告もなかった。つまり、全体的な反射カーテンはメリットがあるかもしれないが、弊害があるかどうかは不明である。どの研究も、カーテンに対する親や医療従事者の満足度や、カーテンが授乳率に影響を与えたかどうかを報告していなかった。

一つの試験では、カーテン付きのライトユニット1台の使用と、カーテンなしのライトユニット2台の使用を比較し、介入群と対照群の両方で同様の結果が得られた。

エビデンスの質:エビデンスレベルは中等度である。

訳注: 

《実施組織》 小林絵里子、阪野正大 翻訳[2020.10.14]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD12011.pub2》

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