2~59ヶ月の小児における非重症肺炎の治療法を抗菌薬投与と非投与で比較した場合

レビューの論点
非重症肺炎と喘鳴を呈した2~59ヶ月児の転帰に抗菌薬投与の有無で差があるかどうかを検討した。

背景
肺炎は肺の感染症である。小児の場合は、それは世界の主な死因の一つとなっている。肺炎は、世界保健機関(WHO)のガイドラインに基づいて分類することができる。分類には、特定の臨床徴候と症状、疾患の重症度及び重症度に応じた治療法の評価などが含まれる。非重症肺炎に対しては、WHOは経口抗菌薬による治療を推奨している。このレビューでは、2014年のWHOによる非重症肺炎の定義を使用した:咳や呼吸困難を伴う急性発作で、速い呼吸と胸部陥凹を組み合わせたもの。

より一般的には、抗菌薬による治療よりも支持療法を必要とするウイルスによる肺炎が多いが、細菌による肺炎は合併症を避けるために抗菌薬による治療を行う必要がある。実際にどの微生物が肺炎を起こしたのかを迅速に見分けることはできないため、抗菌薬を投与しても問題ないと考えられている。しかし、これは抗生物質耐性の発生につながり、将来の感染症での抗生物質の使用を制限する可能性がある。問題は、非重症肺炎に対して抗菌薬の使用が正当化されるかどうかである。

検索期間

エビデンスは2020年12月23日現在のものである。

研究の特性

小児3,256人を含めた3件の試験を対象とした。これらは、パキスタンの3つの都市(イスラマバード、ラホール、ラワルピンディ)の4つの病院と、インドとマラウイの病院外来で実施された。小児にはアモキシシリン(抗菌薬)またはプラセボを3日間投与し、2週間経過観察した。1つの試験は分類待ちである。

試験の資金提供元

この試験は、INCLENおよびIndiaClenを通じたUSAID、ARI Research Cell、Children Hospital、Pakistan Institute of Medical Sciences、Islamabad、Pakistan、およびBill&Melinda GatesFoundationからの助成金によって支援された。

主な結果

限られたデータでは、治療失敗が20%減少したことが示されたが、臨床的治癒、再発、及び治療上の弊害への影響は観察されなかった。いずれのグループでも死亡者は報告されていなかった。我々のレビューでは、非重症肺炎の治療のための抗菌薬の継続的な使用を支持または異議を唱えるのに十分なエビデンスがなかった。

エビデンスの確実性

臨床的治癒のエビデンスの確実性は中程度であった。治療失敗、再発、治療の有害性に関するエビデンスの確実性は、不正確さとバイアスのリスクのために格下げされたため、低いものであった。

訳注: 

《実施組織》 季律、阪野正大 翻訳[2021.03.06]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD009576.pub3》

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