非特異的腰痛に対する抗うつ薬

著者の結論: 

慢性腰痛患者の管理において抗うつ薬がプラセボよりも有効であることを示す明確なエビデンスはない。これらの所見は背部痛のある重度のうつ病患者を抗うつ薬で治療すべきでないということを意味しているわけではなく、別の慢性疼痛様式においては抗うつ薬の使用に対するエビデンスがある。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

抗うつ薬が腰痛管理に一般的に使用されている。しかし、その使用については議論の余地がある。

目的: 

本レビューは、非特異的腰痛の治療に抗うつ薬がプラセボよりも有効であるかどうかを明らかにすることを目的とした。

検索方法: 

MEDLINE、EMBASEおよびPsycINFO(2008年11月まで)、Cochrane Central Register of Controlled Trials 2008年第4号、ならびに過去のシステマティック・レビューからランダム化比較試験を同定した。

選択基準: 

非特異的腰痛の患者を対象に臨床的に関連性のあるアウトカム指標をひとつ以上用いて、抗うつ薬をプラセボと比較しているランダム化比較試験を含めた。

データ収集と分析: 

盲検化した2名のレビューアが独自にデータを抽出し、試験バイアス・リスクを評価した。メタアナリシスを用いて、疼痛、うつ病、機能に対する抗うつ薬の効果、ならびに疼痛に対する各種抗うつ薬の効果を検討した。統合できなかった研究を説明するため、Cochrane Back Review Groupが推奨するエビデンスのレベルを用いて追加的な定性分析を行った。

主な結果: 

抗うつ薬をプラセボと比較している10件の試験を本レビューに含めた。統合データの解析から、疼痛緩和(6件の試験(1件の試験では2つの治療群、2番目の試験では3つの治療群を設定);標準化平均差(SMD)-0.04(95%信頼区間(CI)-0.25~0.17))、うつ病(2件の試験;SMD 0.06、CI -0.29~0.40))について、抗うつ薬とプラセボとの間ではないことが示された。慢性腰痛の疼痛強度に対する抗うつ薬の効果に関しては、定性分析で相反するエビデンスが見出された。抗うつ薬が慢性腰痛患者のうつ病を軽減させることを示す明白なエビデンスはなかった。2件の統合データの解析により、各種抗うつ薬とプラセボとの間で疼痛緩和にがないことが示された。これらの所見は、その後追加された試験データを検討するためメタアナリシスに含まれる際のバイアス・リスクを修正させた感度分析によっても変わらなかった。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save