ランダム化試験への参加を維持することに役立つかもしれない方法

背景

ほとんどの試験では、採用された後に個人的な接触を通じてデータを収集するためのフォローアップを行っている。いくつかの試験では、日常的に収集したデータや疾患登録など、他のソースからデータを取得している。試験で人々からデータを収集する方法は数多くあり、手紙、インターネット、電話、テキストメッセージ、対面でのミーティング、医療検査キットの返却などがある。例えば、忙しくて返事ができない、クリニックに通えない、引越をした、参加したくなくなったなどの理由で、ほとんどの試験でデータが不足している。試験の実施場所でデータが記録されていなかったり、試験調整センターにデータが送られていなかったりすることがある。研究者はこれを「フォローアップのための損失」「ドロップアウト」「自然減少」と呼び、試験の結果に影響を与えることがある。例えば、最も症状の重い人や最も症状の軽い人がアンケートを返さなかったり、フォローアップの訪問に行かなかったりすると、試験の結果に偏りが出てしまう。研究者が人を試験にとどめておくために多くの方法が使われている。これらは、アンケートでデータを返送したり、クリニックや病院に戻って試験関連した検査を受けたり、保健師や地域の介護職員に診てもらったりすることを促すものである。

研究の特性

このレビューでは、人々が試験に留まることを促す方法が明らかになった。臨床試験での定着率を高める方法を比較したランダム化試験(2つ以上の治療法のうち1つにランダムに割り付けられる)または準ランダム化試験(割り付けが実際にはランダムではなく、生年月日や診療所に通った順番などに基づいて割り付けられる)について、科学的データベースを検索した。我々は、全ての年齢、性別、民族、文化、言語、地理的グループからの参加者を対象とした試験を含めた。

主な結果

効果があると思われる方法は、記入済みのアンケートの返礼として少額の謝金を提示したり渡したりする方法と、記入済みのアンケートを返送するとさらに少額のお金を提供すると約束して少額の謝金とアンケートを同封する方法であった。他の方法で試験に参加している人を維持する効果はまだ明らかになっておらず、これらが本当に効果があるかどうかを確認するためには、より多くの研究が必要とされている。他の方法としては、アンケート調査を短くしたり、アンケート調査票を配達記録で送ったり、どの治療を受けるかがわかるようなトライアルデザインを利用したり、返信用の切手を貼った封筒とともに特別にデザインされた手紙で何度もリマインダーを送ったり、チャリティーに寄付をしたり、懸賞に応募したりすることを提案したり、研究のサイトに参加者のフォローアップのリマインダーを送ったり、患者が最後にフォローアップを受けた時間に近い時間にアンケート調査票を送ったり、人々のフォローアップを管理したり、電話でフォローアップを行ったり、アンケートの質問の順番を変えたりすることが挙げられる。

エビデンスの質

我々が特定した方法は、多くの異なる疾患領域や環境で実施された試験で検証され、場合によっては、1つの試験でしか検証されなかった。したがって、我々の知見が他の研究分野でも活用できるかどうかを判断するためには、より多くの研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》阪野正大、小林絵里子 翻訳[2020.06.25]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《MR000032.pub2》

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