COVID-19感染後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)の予防のための介入

なぜこれが重要なのか?

COVID-19は、嗅覚に問題を生じることがわかっている。匂いを感じる能力が低下することもあれば、完全に嗅覚が失われることもある。多くの人は短期間で回復するが、数週間から数ヶ月間続く人もいる。このレビューでは、嗅覚を失ってからすぐに(症状が始まってから4週間以内に)、長期的な問題にならないようにするための治療法があるかどうかを検討する。

どのようにしてエビデンスを特定し、評価したか

結果をまとめるために、医学文献から関連するすべての研究を検索した。また、研究の規模や実施方法などを考慮して、エビデンスの確実性を評価した。これらの評価に基づいて、エビデンスの確実性を「非常に低い」、「低い」、「中等度」、「高い」に分類した。

わかったこと

終了した研究は1件しか見つからなかった。これには100人の患者が含まれており、全員が研究開始時に短期間(4週間以内)の嗅覚障害を抱えていた。この研究では、ステロイドの点鼻薬で治療を受けた人と、何も治療を受けなかった人を比較した。また、すべての被験者には、嗅覚の回復を促すために、毎日短時間で特定の香りを嗅ぐ練習をする「嗅覚トレーニング」を行うことが推奨された。研究者は、3週間にわたって患者を追跡し、何が起こったかを確認した。この1回の比較で得られた結果を紹介する。

副腎皮質ホルモンの経鼻投与と無治療の比較(いずれも嗅覚トレーニングを使用)

ステロイドの点鼻薬が、以下の点で無治療に比べて良いか悪いかはわからない。

- 3週間後に嗅覚が元に戻ったと感じられるようになったか。
- 3週間後に嗅覚の変化があったか。

わからないと判断した理由はエビデンスの確実性が非常に低かったからである。

他にもいくつかの研究が行われていることがわかったが、これらの研究の結果はまだ出ていないため、このレビューには含めなかった。

結果が意味すること

ステロイドの点鼻薬を使用することが、COVID-19に関連する長期的な嗅覚の喪失を防ぐのに有益であるかどうか、あるいは害があるかどうかは分かっていない。他の治療法についてのエビデンスはない。このレビューはレビューと関連する可能性のある新しい研究を常にチェックし、新たな結果が得られた場合にはレビューを継続的に更新する「リビング・システマティックレビュー」である。

このレビューの更新状況

このコクラン・レビューに掲載されているエビデンスは、2020年12月までのものである。

訳注: 

《実施組織》 阪野正大、堺琴美 翻訳[2021.09.13]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013877.pub2》

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