分娩後大出血の予防および治療のためのミソプロストールの事前準備

特に自宅分娩の状況において、分娩後大出血は、依然として母体の重度な健康障害や死亡の重要な原因である。分娩後の子宮をただちに収縮させて出血を減らすために一般的に使用される薬剤(オキシトシンやエルゴメトリン)は、注射で投与する必要があるため、トレーニングされた医療従事者がいない状況では使用できない。それらの薬剤は、効能維持のために、冷蔵庫での保管も必要となる。分娩後の子宮を強く収縮させるその他の薬剤であるミソプロストールは、ほぼ同程度の効果を有し、経口投与でき、特別な貯蔵要件がないため、オキシトシンやエルゴメトリンよりも利点がある。その副反応(特に発熱やシバリング)は軽度で、自然消失するため、追加の薬物療法を必要としない。これらの理由から、医療施設外での分娩を一般的とする地域において、ミソプロストールは、一般のヘルスワーカーや女性自身またはその家族によって使用できるのではないだろうか。自宅分娩が避けられない世界の遠隔地域において、陣痛開始や分娩の前に地域のヘルスワーカーや妊娠女性自身によってミソプロストールを準備することは、分娩時に女性が必要となった場合に利用可能な薬剤があることを約束する、魅力的な方法に近年ではなってきた。しかし、このように準備されたミソプロストールは、陣痛誘発や妊娠中絶などの他の目的で使用された場合には、母体や児に害を与える恐れがある。このレビューは、陣痛や分娩前に準備しておくことでミソプロストールの使用が増えるかどうか、また、母児の健康に影響があるかを検討することを目的とした。このテーマに関するランダム化比較試験はみつからなかった。したがって、地域内で分娩後大出血の予防および治療を目的とした、陣痛や分娩前におけるミソプロストール事前準備のシステムを支持するには十分なエビデンスはない。

著者の結論: 

施設外分娩におけるPPH予防および治療のためのミソプロストール事前準備の方法の利益またはリスクに関するエビデンスは、ランダム化または準ランダム化試験から得られていない。この方法の拡大への関心の高まりを考えると、その相対的利益およびリスクを評価する大規模で適切にデザインされたランダム化試験の実施が急務である。

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背景: 

分娩後出血(PPH)の予防および治療のための地域におけるミソプロストールの準備は、既存の子宮収縮薬を使用できない場所も、子宮収縮薬使用可能地域にする魅力的な方法となっている。しかし、この方法の意義や安全性は、なお議論の余地がある。

目的: 

施設外分娩におけるPPH予防および治療のためのミソプロストール事前準備に関する方法の有効性と安全性を検討する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年10月5日)を検索した。言語制限は行わなかった。

選択基準: 

施設外分娩におけるPPH予防または治療に関して、地域のヘルスワーカーまたは妊婦へのミソプロストール事前準備を通常の治療と比較したランダム化または準ランダム化比較試験ランダムデザインではない試験は除外した。

データ収集と分析: 

レビューア2名が選択対象となる試験について個別に評価した。

主な結果: 

検索方法により、3件の試験を同定した。選択基準を満たした研究はなかった。

訳注: 

《実施組織》増澤祐子翻訳 重見大介監訳、[2016.12.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクラン日本支部までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
《CD009336》

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