2型糖尿病予防のための全粒食品

小麦や米、コーン、ライ麦、オーツ、大麦などの穀物由来の食品は、多くの国で日常の食事の主要部分を占めている。精製された穀物食品には、穀物の栄養や食物繊維を多量に含むふすまや胚芽が取り除かれ、内側のでんぷん部分(全粒の約80%)のみが使われている。精製されていない全粒食品には、そのままの形やフレーク状、破砕した穀物の粒、粗挽きの粒や全粉(全粒小麦粉)から作った粉が含まれる。本レビューでは、2型糖尿病(T2DM)の予防に対する全粒食品と(全粒食品摂取量のマーカーとしての)穀物繊維の効果を、入手可能な前向きコホート研究ランダム化比較試験を全て用いて評価した。1件のランダム化比較試験しか見つからず、方法論の質は低かった。この研究では、肥満参加者12例を6週間調査し、インスリン感受性(T2DM発症の危険因子)に対する精製穀物食品の摂取と全粒食品の摂取の効果を調査した。全粒食品を摂取した結果、インスリン感受性がわずかに改善し、排便は増加し、有害事象は確認されなかった。患者の満足度、健康関連の生活の質、総死亡率、有病率に関する記載はなかった。さらに、11件の前向きコホート研究が見つかった。1件はフィンランドで実施、残りはアメリカ合衆国で実施され、内7件は医療従事者に行われていた。いくつかの研究は限定的な質だった。これらの研究では、全粒食品または穀物繊維の大量摂取はT2DMの発症リスクを軽減させることを一貫して示していた。しかし、前向きコホート試験のみから得た予防効果のエビデンスは、このデザインでは因果関係を確立できず弱いと考える必要がある。T2DM発症に対する全粒食品摂取の予防効果ついて明確な結論を出すには、十分にデザインされたランダム化比較試験が必要である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.11.24] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD006061.pub2】

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