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がんに対するレートリル(アミグダリン)療法

レートリルとは、レボロトリル(laevorotatory)とマンデロニトリル(mandelonitrile)の頭文字から作られた言葉で、アミグダリンの半合成体を表す。アミグダリンは、桃、ビターアーモンド、アプリコットなど多くの果実の種子から単離される化合物である。レートリルとアミグダリンはいずれも、共通の構造成分であるマンデロニトリルを持ち、シアン化物を含有する。

レートリルの有効性が得られていないこと、またシアン化物の中毒による副作用のリスクにより、米国食品医薬品局(Food and Drugs Agency :FDA)および欧州委員会によりその使用が禁止となった。しかし、インターネットで、レートリルまたはアミグダリンは購入が可能である。米国・欧州市場で政府による規制が実施されていないことから、レートリルまたはアミグダリン製剤は信頼性のない供給者により販売されているだけでなく、不純物が混入しているかもしれない。特にレートリルまたはアミグダリン経口摂取後に、シアン化物中毒による重大な副作用の発現リスクが高いことをがん患者に伝えるべきである。ビタミンCとの併用、またビタミンB12が欠乏している菜食主義者が摂取することにより、重大な副作用の発現リスクは増加する可能性がある。

本システマティックレビューでは、有効であるとされるレートリルやアミグダリンが、がん患者に治癒効果をもたらすとされるエビデンスは信頼できるものではないことがわかった。

訳注

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.mhlw.go.jp/)[2025.07.29]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。【CD005476.pub4】

Citation
Milazzo S, Horneber M, Ernst E. Laetrile treatment for cancer. Cochrane Database of Systematic Reviews 2015, Issue 4. Art. No.: CD005476. DOI: 10.1002/14651858.CD005476.pub4.

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