胎盤遺残の管理に対する臍帯静脈注射

著者の結論: 

オキシトシン溶液UVIは、胎盤娩出待機中に実施できる高価でなく単純な介入である。しかし、質の高いランダム化試験はオキシトシン使用が無効またはほとんど無効であることを示している。用手剥離の最適な時期について、およびプロスタグランジンまたは血漿増量剤のUVIについてさらなる研究が必要である。

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背景: 

胎盤遺残を無治療で放置した場合、母体死亡リスクは高い。しかし、胎盤用手剥離は、出血、感染または生殖器外傷の重篤な合併症を伴う侵襲的手技である。

目的: 

胎盤遺残に対し、食塩水単独またはオキシトシンと併用した臍帯静脈注射(UVI)の使用を、待機的管理あるいは代替薬か他の子宮収縮薬併用と比較して評価すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group’s Trials Register(2011年2月28日)を検索した。

選択基準: 

胎盤遺残の管理において、子宮収縮薬併用あるいは無併用の食塩水か他の溶液のUVIを、待機的管理または代替溶液か他の子宮収縮薬併用と比較したランダム化試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが研究の方法的質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

15件の試験(女性1,704例)が選択基準に合致した。試験の質は様々であった。待機的管理と比較して、食塩水単独UVIは胎盤用手剥離の発生数で有意を示さなかった[リスク比(RR)0.99、95%信頼区間(CI)0.84~1.16]。待機的管理と比較したオキシトシン溶液UVIは、用手剥離の必要性の減少を示さなかった(RR 0.87、95%CI 0.74~1.03)。食塩水単独と比較したオキシトシン溶液は、胎盤用手剥離の減少を示したが統計学的に有意ではなかった(RR 0.91、95%CI 0.82~1.00)。質の高い研究のみを評価した場合、有意はなかった(RR 0.92、95% CI 0.83~1.01)。他のアウトカムのいずれにもは検出されなかった。血漿増量剤UVIと比較したオキシトシン溶液UVIは、選択した1件の小規模試験のみが評価したアウトカムにおいて、統計学的有意を示さなかった。食塩水単独と比較したプロスタグランジン溶液は、胎盤用手剥離の統計学的に有意な発生数減少に関連していた(RR 0.42、95%CI 0.22~0.82)が、評価された他のアウトカムではは観察されなかった。プロスタグランジン+食塩水は、オキシトシン+食塩水と比較した場合、胎盤用手剥離の統計学的に有意な減少を示し(RR 0.43、95%CI 0.25~0.75)、注射から胎盤娩出までの時間の小幅な短縮も観察された(平均差-6.00、95%CI -8.78~-3.22)。しかし、このメタアナリシスに寄与したのは、2件の小規模試験のみであった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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