妊娠期におけるエネルギー及び蛋白質の摂取

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妊娠中、子宮内で発育する胎児は、全栄養分を母親から得る。従って、女性に食事について助言し妊娠中の補助食品を提供することは、胎児の発育及び成長の助けとなる。ランダム化比較試験に関する本レビューでは、食事アドバイス及び栄養補充を多面的に検討し、下記の4所見を得た。 (1)栄養アドバイスをすることによって、女性449名を対象とする2件の試験で母親の蛋白質摂取が増加し、早期産が減少し、女性389名を対象とする1件の試験で出産時頭囲が増大した。(2)母親へのバランスのとれたエネルギー及び蛋白質補助食品は、平均出産時体重の明らかな増加(11件の試験、女性5,385名)、死産の減少(5件の試験、女性3,408名)及び在胎期間に比して軽小児の減少(7件の試験、女性4,408名)との関連を示したが、栄養不良の女性などの乳児の長期健康への影響は不明である。(3)高蛋白質補充は、女性1,051名を対象とする1件の試験で、母親への利点は認められず、乳児に対する有害な作用の可能性が認められた。(4)等カロリー蛋白質補充 (主要栄養素、脂質及び炭水化物などその他の栄養物等量と蛋白質を置換するバランス補助食品)という介入は、女性184名を対象とする2件の試験で母子に利益を認めなかった。 妊婦への栄養アドバイスの提供、又はバランスのとれたエネルギー及び蛋白質補助食品は有益であり、妊婦への高蛋白質の補充及び等量カロリー蛋白質の補充は無効又は有害と思われる。

著者の結論: 

本レビューにより、一般産科集団におけるエネルギー及び蛋白質摂取増加を目的とする出産前の栄養アドバイスが、早期産のリスクを低減し、出産時頭囲を増加、蛋白質摂取を増加する上で有効と思われる強力なエビデンスが得られたが、その他報告されたアウトカムの利益又は有害な作用のエビデンスはなかった。

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背景: 

妊娠期の体重増加は胎児の発育と正の相関を示し、妊娠中の栄養補助食品に関する観察研究では、妊娠期の体重増加と胎児発育が報告されている。

目的: 

妊娠中のアドバイスが、エネルギー及び蛋白質摂取を増加する効果又は実際のエネルギー、及び蛋白質補充のエネルギー及び蛋白質摂取に対する効果並びに、母子健康アウトカムへの効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年7月22日)を検索し、当該分野の研究者と連絡をとった。2012年7月12日に検索を更新し、本レビューにある分類セクションに当該結果を追加した。

選択基準: 

妊娠中のエネルギー及び蛋白質摂取を増加するための食事アドバイス又は実際のエネルギー及び蛋白質補充に関するランダム化比較試験

データ収集と分析: 

レビューア2名が別々に選択する試験を評価し、バイアスのリスクを評価した。レビューア2名が別々にデータを抽出し、精度をチェックした。抽出したデータに、連絡をとった試験実施者からその後追加された情報を補足した。

主な結果: 

46件の試験に相当する110件の報告書を検討した。上記試験のうち、15件が組み入れられ、30件が除外、1件が継続中であった。全体で、女性7,410名を対象とする15件の試験を組み入れた。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2013.1.30

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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