要点
臨床スタッフは、新生児の痛みを評価するために利用可能な評価尺度は非常に質が低いことを知っておくべきである。これらの尺度をさらに発展させる必要がある。
臨床評価尺度とは何か?
新生児は言葉で痛みを表現することができないため、スタッフは代わりに行動やバイタルサインを見て痛みを評価する必要がある。これにはさまざまな評価尺度を用いることができ、たとえば心拍数、顔の表情、体の動きなどから乳児の痛みを評価する。
何を調べようとしたのか?
既存の評価尺度について説明し、その質を評価したかった。
何を行ったのか?
新生児の痛みを評価するための評価尺度を開発または検査した研究をデータベースから検索した。
何を見つけたのか?
乳幼児7,197人、看護師326人、医師12人を含む79件の研究を対象とした。研究では27種類の評価尺度が用いられた。今回の評価では、すべての評価尺度が非常に低品質であった。
エビデンスの限界は?
対象となった研究の数は比較的多かったが、エビデンスは、対象となった膨大な数の臨床評価尺度に分散されており、また測定しようとしたさまざまな方法論的側面に分かれてしまっていた。その結果、測定したそれぞれの個別の側面について、利用できる研究はほんのわずかしかなかった。評価尺度の最も重要な方法論的側面に関するエビデンスは、非常に質が低く、強固な結論は得られなかった。
本レビューの更新状況
2023年7月時点におけるエビデンスである。
《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳[2025.06.24] 《注意》 この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《MR000064.pub2》