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非特異的腰痛に対する非薬物的・非外科的治療の有益性と有害性は何か?

主なメッセージ

急性腰痛(痛くなってから6週間未満の痛み)の場合

・活動的でいるように勧めることは、ベッドで安静にしているように勧めることに比べ、痛みを軽減し、運動機能を向上させるだろう。

亜急性腰痛(6~12週間続く痛み)の場合

・集学的治療(様々な分野を組み合わせた総合的なアプローチによる治療)は、通常治療と比べ、痛みを軽減するだろう。
・脊椎マニピュレーションは、プラセボ(実際の治療に似せてデザインされた「シャム(偽、みせかけ)」または「ダミー」の治療法だが、有効成分や意図された治療効果がないもの)と比べ、運動機能を改善しないだろう。

慢性腰痛(12週間以上続く痛み)の場合

・鍼治療は、プラセボや治療なし、通常治療と比べ、痛みを軽減し、運動機能を改善するだろう。
・運動療法は、プラセボや治療なし、通常治療と比べ、痛みを軽減し、運動機能を改善するだろう。
・牽引療法は、シャムの牽引療法と比べて痛みを軽減することはないだろう。
・集学的治療は、通常治療と比べ、痛みを軽減し、運動機能を改善するだろう。
・心理療法は通常治療と比べ、おそらく痛みを軽減するが、運動機能はほとんど変わらないだろう。

腰痛とは何か。また、どのように治療されるのか?

腰痛はよくある身体の状態であり、能力低下や生活の質の低下を伴うことがある。腰痛のほとんどは、痛みの原因が不明で「非特異的」腰痛と表現される。急性腰痛(6週間未満の痛み)、亜急性腰痛(6~12週間続く痛み)、慢性腰痛(12週間以上続く痛み)など、様々な時期の腰痛に対して、多くの種類の非薬物的・非外科的治療が行われている。腰痛をよりよく管理するために、医療従事者や患者に対して、薬物療法や外科的治療以外の治療法の利点や安全性に関するわかりやすく質の高い情報を提供する必要がある。

何を調べようとしたのか?

成人の非特異的腰痛に対する非薬物療法と非外科的療法の有効性と安全性に関するコクラン・レビューのエビデンスを要約しようとした。

実施したこと
97,183人の参加者、644件の研究を含む31件のレビューが見つかった。これらの研究では、腰痛に対する27種類の治療の効果が調査された。

わかったこと

急性・亜急性の腰痛患者に対しては、ベッドで安静にすることを勧めるよりも、活動的に過ごすことを勧める方が、短期間(3か月まで)では痛みを軽減できるだろう。集学的治療は長期的(12か月以上)には痛みを軽減するだろう。脊椎マニピュレーションは、短期的には運動機能を改善しないだろう。

慢性の腰痛患者に対しては、鍼治療、運動療法、心理療法が短・中期的(3か月から12か月)には、痛みを軽減するだろう。鍼治療と運動療法は、短・中期的には運動機能も改善するだろう。集学的治療は、短・中期的には痛みを軽減し、運動機能を改善するだろう。牽引療法は短期的には痛みを軽減しないだろう。

腰痛に対する他の非薬物的、非外科的治療の効果については、あまり確実性がない。

非薬物的および非外科的治療は、重篤な有害事象(望ましくない、有害な事象)とは関連しないだろう。

エビデンスの限界は何か?

38%のレビューが利用可能な最も厳密な方法論に沿っていないと判断したため、エビデンスに対する確実性を低下させた。レビューの約75%が2020年以前に発表されたもので、含まれるエビデンスが比較的古い可能性があるだろう。推奨ガイダンスにしたがって、これらのコクランレビューを更新する必要がある。

エビデンスの質が低いため、腰痛の臨床で一般的に使用されている多くの非薬物療法や非外科的治療の有益性と有害性については、不確実なままである。医療従事者、患者、腰痛研究に資金を提供している団体には、腰痛治療を十分な情報を得た上で判断をするために、この概要を利用すること勧める。

エビデンスはいつのものか?

この概要は2023年4月現在のものである。 しかし、レビューの1/3(31件中10件)は15年以上前のもので、含まれるエビデンスはさらに古くなっている。

訳注

《実施組織》菊井将太、井上円加 翻訳[2026.1.12]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD014691.pub2》

Citation
Rizzo RRN, Cashin AG, Wand BM, Ferraro MC, Sharma S, Lee H, O'Hagan E, Maher CG, Furlan AD, van Tulder MW, McAuley JH. Non-pharmacological and non-surgical treatments for low back pain in adults: an overview of Cochrane reviews. Cochrane Database of Systematic Reviews 2025, Issue 3. Art. No.: CD014691. DOI: 10.1002/14651858.CD014691.pub2.

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