主なメッセージ
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今回のアップデート版レビューでは、自然妊娠が困難な女性を対象とした生殖補助医療(ART)において、胚の発育を促進する上で重要な役割を果たす特殊な溶液(培養液)について評価を行った。現時点では、健やかな赤ちゃんを産む可能性を最も高めてくれる培養液がどれなのかは分からない。G5という胚培養液の方が、HTFという培養液よりも生児獲得率が高い可能性が示唆された研究があったが、他の研究では、異なる培養液間での成功率の差は明確でなかった。
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研究ごとに異なる培地が使用されていたため、エビデンスは限定的であり、それらの結果を統合することはできなかった。多くの研究で、参加者が少ないなどの弱点が見られた。どの胚培養液が最も効果的かを明らかにするためには、綿密に設計されたより多くの研究が必要である。
胚培養液とは何か
自然妊娠ができない女性は、体外受精(IVF)など、体外で卵子と精子を受精させる生殖補助医療(ART)を受けることができる。こうして作られた胚の発育を助けること(培養)は、体外受精治療の非常に重要な要素である。胚は胚培養液と呼ばれる特別な溶液に入れられる。この液体は栄養を供給し、子宮に移植されるまで、または将来使用するために凍結されるまでの胚の成長を助ける。胚培養液にはさまざまな種類がある。
どの培地が最も効果的かについて合意が得られていないのはなぜか
どの種類の胚培養液が生児獲得率を最も高めるかについて、現在のところ明確な合意は得られていない。ある培養液を別の培養液と比べて確信をもって選べるような十分に信頼性の高い情報は、現時点で利用できる研究からは得られていない。このため、医師や患者にとって、どの選択肢を選べばよいのか判断が難しい。
知りたかったこと
さまざまな種類のヒト胚培養液が、体外受精(IVF)治療を受けている女性において、赤ちゃんを授かる確率や継続した妊娠(超音波検査で心拍が確認された状態)にどのような影響を与えるのかを調べたかった。
実施したこと
体外受精(IVF)治療において使用可能なさまざまな胚培養液を比較した研究を検索した。重要だと考えるすべての指標について、研究結果を検討した。各研究の信頼性については、その研究のデザインや実施方法に基づいて検討した。各重要指標に関するエビデンスについて、その確実性をどの程度とみなすかについて判断を下した。
わかったこと
関連する研究を26件見つけ、そのうち8件が生児獲得や継続した妊娠といった最も重要な指標を評価していた。さらに進行中の研究が5件、十分な情報が含まれていない短い要約としてのみ公表されているために本調査には含めることができなかった研究が60件ある。どの研究の結果も統合することはできなかった。同じ培地を比較した研究が2つ以上なかったからである。
主な結果
本レビューの対象となった26件の研究のうち、8件(女性3,315名)が、生児獲得または継続した妊娠について報告していた。
ほとんどの研究では、比較対象とした培養液間に明確な違いは見られなかった。しかし、規模が最も大きい2件の研究では、重要な意味を持つ可能性のあるいくつかの違いが確認された。
ある研究によると、G5の場合、HTFと比較して生児獲得率が6%高い可能性が高いことが示された(対象:836人の女性)。別の研究では、GM-CSFを併用したEmbryoAssist(HSA値が低い場合、すなわち血中アルブミン濃度が低い場合)では、GM-CSFを併用しないEmbryoAssist(743名の女性)と比較して、生児獲得率が6%高くなる可能性があることが示されたが、研究期間中に治療法が変更されたことなどから、この結果は非常に不確実である。
同じ研究で継続した妊娠の率にも違いがみられた。ある研究では、G5はHTFと比較して、継続した妊娠の率を高める可能性が高いことが示唆された(対象:836名の女性)。別の研究では、GM-CSF(低HSA)を併用したEmbryoAssistは、GM-CSFを併用しないEmbryoAssist(743人の女性)と比較して、継続した妊娠の率を高める可能性があることが示唆されたが、この結果については非常に不確実である。
エビデンスは非常に限られており、不明確であるため、異なる研究の結果を統合することはできなかった。これらの知見を裏付け、特定の培養液が治療の成功率を向上させるかどうかを明らかにするためには、さらに綿密に設計された研究が必要である。
エビデンスの限界
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多くの研究では、対象となった女性の数がごくわずかだった。
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一部の研究では、研究デザインの面で問題が見られた。
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いくつかの研究では、比較対象となる群に(女性ではなく)卵子や胚を割り当てたり、異なる研究群から同じ女性へ胚を移植したりしていた。
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ほとんどの研究では、培養液の成分について明確に記述されていなかった。
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多くの研究では、重要な指標のすべてが報告されていなかった。
全体として、以下の理由により、エビデンスの確実性は概して非常に低かった。
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これらの研究を互いに統合することはできなかった。
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研究結果は正確ではなかった。
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これらの研究の結果は、必ずしも適切な方法で導き出されたとは限らなかった。
このエビデンスの更新状況
このレビューは2015年に発行されたものを更新したものである。エビデンスは2025年8月28日現在のものである。
《実施組織》内藤未帆、杉山伸子 翻訳[2026.08.31]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD007876.pub3》
このコクランレビューは、元々は英語で作成されました。翻訳の正確性は、当該翻訳を担当した翻訳チームが責任を負います。質の高い翻訳を保証するため、この翻訳は細心の注意を払って作成され、標準的なプロセスに従って行われています。ただし、不一致、不明確または不適切な翻訳の場合、英語の原文が優先されます。




