非がん性慢性疼痛の管理におけるオピオイド(麻薬性鎮痛薬)の高用量投与

要点

がんを原因としない慢性的な痛み(非がん性慢性疼痛)を持つ成人に対して、高用量のオピオイドを使用した場合、どの程度効果があるのか、またどのような副作用があるのかを示す質の高いエビデンスはない。

臨床研究では、通常、カットオフ値(基準とする範囲を区切る値)より低い薬剤の用量が使用されている。非がん性慢性疼痛に対して、高用量のオピオイドがどの程度有効なのか、またどのような副作用があるのかを知る必要がある。

背景

オピオイドは、モルヒネに類似した鎮痛薬の一種であり、長期間(通常は3か月以上)続く中等度または重度の慢性疼痛に対して長年使用されてきた。

研究の特徴

本概要では、非がん性慢性疼痛を持つ成人に対する疼痛緩和のためのオピオイドに関するコクランレビュー、および概要から得られた知見をまとめることを目的とした。さらに、オピオイドを高用量(1日あたりモルヒネ200mg以上に相当)で使用した場合にどの程度効果があるのか、またどのような副作用があるのかを明らかにしたいと考えた。

主な結果

2022年7月までに行われた系統的文献検索からは、目的とした情報は得られなかった。オピオイドに関する研究において、高用量で使用された報告はほとんどない。また、あらゆる用量のオピオイドを使用している人を対象とした研究の一部として用いられた場合においても、高用量のオピオイドを使用している人に関する個別の情報は報告されていなかった。

訳注: 

《実施組織》小泉悠、伊東真沙美 翻訳[2023.8.17]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012299.pub3》

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