慢性疼痛に対する経皮的電気神経刺激療法(TENS)ーオーバービューレビュー

要点

慢性疼痛を有する人々に対して、TENSを擬似TENS、通常ケア、無治療と比較、またはTENSを他の治療と併用して、他の治療単体と比較した場合においても、TENSの有効性を明確にすることが今回のオーバービューレビューではできなかった。TENSの有効性が治療モードを変化(例:異なる周波数、強度、電極の貼付位置)させることで変わるかどうか、信頼できるエビデンスをみつけることはできなかった。

背景

慢性痛(3か月以上持続する痛み)は多様な一般的疾患との関連があり、効果的に治療することが困難である。TENSは疼痛疾患に対する一般的な治療方法であり、小型のバッテリー駆動装置により、低強度の電流を皮膚に貼付した電極を介して流す。これが疼痛を軽減するとされている。TENSは以前から多くのコクラン・レビューで調査されている。

レビューの論点

一般的な慢性疼痛疾患に対するTENSに関する重要なコクランレビューを探し、TENSが慢性痛を有する成人の痛み軽減に効果があるか調査をする(頭痛、片頭痛はのぞく)。

研究の特性

2018年11月現在で、9つのレビューが採択された。7つのレビューでは、特に成人の多様な慢性疾患における疼痛または機能面の治療としてのTENSを調査した。頚部痛に対する多様な電気治療機器を調査したレビューと、脊髄損傷を有する人における非薬物的介入を調査したレビューを組み入れた。どちらのレビューもTENSを調査した研究を含んだ。採択したレビューの質は高かったが、レビュー内で紹介されているエビデンスの質はかなり低かった。

主な知見

慢性痛を有する人々にとって、TENSが疼痛の軽減に効果的かどうか明確に述べることはできなかった。これはエビデンスの質がとても低いことと、レビューに含まれる研究の参加者が総じて少ないことによるものである。質、研究サイズ、そしてデータの欠損に関する問題により、TENSに関する有害性や副作用、障害に対する効果、健康関連QOL、鎮痛剤の使用、またはTENSによる自覚的な症状の改善においていかなる結論を下すこともできなかった。

訳注: 

《実施組織》有家尚志、井上円加 翻訳[2019.07.15] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。  《CD011890》

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