脳卒中生存者の介護者に対する非薬物的介入

著者の結論: 

方法論的、臨床的かつ統計学的異質性のため、RCTによるエビデンスのメタアナリシスを実施できなかった。すべての研究における限界の一つに、非正規介護者を定義するための重要な特性の記述の欠如があった。しかし、脳卒中生存者の退院前に介護者に実施する「職業教育」型の介入は、最も有望な介入であると考えられた。しかし、これは1件の小規模な単施設研究による結果に基づくものである。

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背景: 

ケアのかなりの構成要素を非正規の介護者が脳卒中生存者に提供している。しかし、そのようなケアを行うことは、新しくかつ困難な経験であることが多く、多数の有害なアウトカムに繋がる。脳卒中生存者とその家族または非正規の介護者を対象とした様々な介入がランダム化比較試験(RCT)で検証されている。

目的: 

脳卒中生存者の非正規介護者を対象とした介入、または非正規介護者と被介護者(脳卒中生存者)を対象とした介入の効果を検討すること。

検索戦略: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2011年3月)、CENTRAL(コクラン・ライブラリ2010年第4号)、MEDLINE(1950年~2010年8月)、EMBASE(1980年~2010年12月)、CINAHL(1982年~2010年8月)、AMED(1985年~2010年8月)、PsycINFO(1967年~2010年8月)と、11件のデータベースを追加して検索した。発表、未発表、進行中の研究をさらに同定するため、学会抄録、試験登録を検索し、関連性のある論文の参考文献リストを調べ、著者と研究者に連絡を取った。言語で制限しなかった。

選択基準: 

脳卒中生存者の非正規介護者に対する非薬物的介入(ケアなしまたはルーチンのケアとの比較)を検討しているランダム化比較試験(RCT)を選択した。脳卒中生存者と非正規の介護の組としてランダム化されている場合は、脳卒中生存者と非正規介護者に行われた介入試験を含めた。脳卒中生存者と介護者を含み、脳卒中生存者が介入の主たる対象である研究は除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが基準に合う研究を選択して別々にデータを抽出し、方法論的質を評価した。試験実施者にオリジナルデータを請求した。介入のタイプを、援助と情報提供型、処置に関する知識教育/職業訓練型および、心理‐教育型介入の3群に分類した。主要アウトカムは介護者のストレスまたは緊張であった。不一致は合意により解決した。

主な結果: 

総計1,007例の参加者を対象とした8件の研究が選択基準を満たした。方法論的、統計学的かつ臨床的異質性が著しかったことから、すべての研究の結果統合は行わなかった。介護者のストレスまたは緊張について、「職業訓練」タイプの介入効果を検討した1件の単施設研究を除いて、介入のタイプのカテゴリ間で有意な結果を認めなかった。この研究では、予定したフォローアップ終了時に介入群と対照群で平均差-8.67(95%信頼区間-11.30~-6.04、P < 0.001)を認め、「処置に関する知識教育」型の介入群を支持していた。

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