嚢胞性線維症成人患者および小児患者における肺機能および生活の質(quality of life:QOL)に対する歌うことの効果

レビューの論点

嚢胞性線維症小児患者および成人患者に対する追加治療として歌唱を用いる効果のエビデンスをレビューした。

背景

嚢胞性線維症患者には、気道粘膜が異常に厚いために肺感染症のリスクがある。したがって、気道浄化はこの疾患の管理に重要な一環である。増加しつつある事例報告により、嚢胞性線維症患者において歌うことは肺機能を助け、QOLを高めると示唆されている。Cochrane Cystic Fibrosis and Genetic Disorders Groupの標準的検索法を用いて試験を検索し、その他の関連性のあるデータベースや出版物を幅広く検索した。 これは以前発表されたレビューのアップデート版である。

検索期間

このエビデンスは、2016年2月18日現在のものである。

試験の特性

このレビューは、7~17歳の嚢胞性線維症小児患者40人に対する研究1件を対象としている。本試験は、特別にデザインされた歌唱介入をその他の非身体的な余暇活動(レクリエーション)と比較した。小児患者は歌唱プログラムまたはレクリエーションプログラムにランダムに振り分けられた。本試験の期間は2週間で、小児は6~8週間経過観察を受けた。この研究では、呼吸筋力、生活の質(quality of life:QOL)、肺機能検査に対する歌うことの影響を評価した。

主要な結果

歌唱群およびレクリエーション群のいずれの参加者も、生活の質の評価においていくらかの改善を報告した。歌唱群の参加者は、最大呼気圧(呼吸筋力検査の代替尺度)の大きい上昇が認められたが、レクリエーション群の参加者は改善が認められなかった。有害事象は報告されなかった。現時点では、嚢胞性線維症患者における臨床アウトカムに対する歌唱の効果を評価するための十分なエビデンスはない。嚢胞性線維症患者に対して歌唱が生じうる効果を評価するために、堅固な方法を用いた研究が今後必要である。

エビデンスの質

この試験は、少数の参加者(登録された参加者は51人であり、解析に用いられたのは40例)、および高い脱落率(21%)という限界点がある。さらに、歌うことが好きな若者がこの試験に登録されたという事実がこの試験の結果に影響した可能性もあると考える。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD008036.pub4】

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