妊娠女性に対するグループ型妊娠管理と従来の妊娠管理との比較

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妊娠管理は、世界中で使用されている重要な予防的保健医療サービスの一つです。大半の西欧諸国において、従来の妊娠管理では、病院や診療所でのケア提供者[助産師、産科医、または開業医(GP)]による1対1の訪問スケジュールが組み込まれていました。別の妊娠管理提供方法は、1対1を基本とするよりむしろグループで管理を行うものです。グループ型妊娠管理は、Centering Pregnancyとして知られているモデルで米国で開発されました。同じような妊娠週数の女性8~12人のグループを対象に、助産師または産科医が管理を行います。妊娠管理の通常の予定来院時に、8~10回グループで集まり、1回の集まりは90~120分間行われます。このグループ型妊娠管理の状況では、通常の出産前評価を情報、教育、ピア・サポートと統合しすべての妊娠管理を行います。 女性とその出生児に対する心理社会的、身体的、分娩・出産アウトカム、およびケア提供者の満足度に対する、グループ型妊娠管理の効果を従来の個別の妊娠管理と比較している試験について、システマティック・レビューを行いました。2件のランダム化比較試験(RCT)(女性1,369名対象)を選択し、両試験とも米国で実施されていました。グループ型妊娠管理を受けた女性と1対1の管理を受けた女性に、臨床的アウトカムのはほとんどありませんでした。グループ型妊娠管理に割付けられた女性の方が標準治療を受けた女性より母乳哺育を始めやすいということはありませんでした。1件の試験では、グループ型妊娠管理に割付けられた女性で満足度の評価が高くなりました。 2件の試験の主な違いは、年齢と教育方法によるものでした。1件の試験の対象は、14~25歳の若い女性で経済的資源が限られているアフリカ系米国人が多数含まれていました。この試験の主な目的は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の危険性のある行為と性感染症の減少でした。2つめの試験は、軍隊での家族支援について主に検討していました。 本レビューは、研究数および参加した女性が少数であることから限定的であり、解析の大多数は1件の研究に基づいていました。グループ型妊娠管理が有意な利益に関連しているか検討するため、さらなる研究が必要です。

著者の結論: 

得られたエビデンスによると、グループ型妊娠管理は女性に肯定的に捉えられており、女性またはその出生児に対する有害なアウトカムはなかった。本レビューは、研究数および女性が少数であることから限定的であり、解析の大多数は1件の研究に基づいていた。グループ型妊娠管理が有意な利益に関連しているか検討するため、さらなる研究が必要である。

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背景: 

妊娠管理は、世界中で使用されている重要な予防的保健医療サービスの一つである。大半の西洋諸国において、従来の妊娠管理では、ケア提供者による1対1の訪問スケジュールが組み込まれている。別の妊娠管理提供方法は、グループモデルによるものである。

目的: 

第一の目的は、女性とその出生児のアウトカムに対するグループ型妊娠管理の効果を1対1の管理と比較することであった。主要アウトカムは、早期産(妊娠37週前の出生)、低出生体重(2500 g未満)、在胎期間軽小児(在胎週数および性別に比し10パーセンタイル未満)、および周産期死亡率であった。副次アウトカムは、心理学的指標、満足度、分娩・出産アウトカム、産褥アウトカムであった。 第二の目的は、ケア提供者の満足度に対するグループ型管理の効果を1対1の管理と比較することであった。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年3月9日)を検索し、本分野の専門家に連絡を取り、回収した研究の文献リストをレビューした。

選択基準: 

グループ型妊娠管理を従来の妊娠管理と比較している、すべての同定された発表、未発表および進行中のランダム化比較試験(RCT)および準RCTを選択した。クラスターランダム化試験も組入れに適格としたが同定されたものはなかった。クロスオーバー試験は不適格とした。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に組入れについて研究を評価し、試験の質を評価した。2名のレビューアがデータを抽出した。データの正確性についてチェックした。

主な結果: 

2件の研究(女性1,369名)を選択した。主要アウトカムに関して、グループ型妊娠管理を受けた女性と標準的な1対1の管理を受けた女性に統計学的に有意であるはなかった。特に、2群間で早期産率にはなく[リスク比(RR)0.87、95%信頼区間(CI)0.47~1.60、2試験、1,315名]、低出生体重児(2500 g未満)の割合も群間で同程度であった(RR 1.03、95%CI 0.73~1.46、2試験、1,315名)。 グループ型妊娠管理に割付けられた女性で満足度の評価が高かったが1件の試験でしか測定されていなかった。この試験では、グループ型妊娠管理での平均治療満足度が標準管理に割付けられた女性に比べて約5倍高かった(993名)。ストレス、苦痛、うつ病に関連したいくつかのアウトカムは1件の試験でのみ報告があった。これらのアウトカムについて群間にはなかった。 ケア提供者の満足度に対するグループ型妊娠管理の効果について、データは入手できなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2014.1.28

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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