脳卒中後のうつ病を予防するための介入

著者の結論: 

気分の改善とうつ病の予防について精神療法の効果は小さいものの有意な効果が同定された。脳卒中後にこのような治療をルーチンで使用することを推奨するには、さらに多くのエビデンスが必要である。

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背景: 

うつ病は脳卒中の回復に影響を及ぼす重大な脳卒中の後遺症であり、検出されなかったり、適切に治療されなかったりすることが多い。

目的: 

脳卒中患者を対象にした薬理的介入または心理学的介入はうつ病を予防し、身体的および心理的アウトカムを改善させるかどうかを判定する。

検索方法: 

Trials Registers of the Cochrane Stroke Group(2007年10月)およびCochrane Depression Anxiety and Neurosis Group(2008年2月)を検索した。これに加えて、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ、2008年第1号)、MEDLINE(1966年~2006年5月)、EMBASE(1980年~2006年5月)、CINAHL(1982年~2006年5月)、PsycINFO(1967年~2006年5月)、Applied Science and Technology Plus(1986年~2006年5月)、Arts and Humanities Index(1991年~2002年9月)、Biological Abstracts(1969年~2002年9月)、BIOSIS Previews(2002年~2006年5月)、General Science Plus(1994年~2002年9月)、Science Citation Index(1992年~2006年5月)、Social Sciences Citation Index(1991年~2006年5月)、SocioFile(1974年~2006年5月)、ISI Web of Science(2002年~2008年2月)、参考文献リスト、試験登録、学会大会の予稿集、学位論文の抄録を検索し、著者、研究者および製薬企業に問い合わせた。

選択基準: 

脳卒中患者のうつ病を予防するために、薬剤とプラセボ、または精神療法と通常のケア(または注意コントロール)を比較したランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験を選択し、データを抽出し、試験の質を評価した。一次解析は、追跡終了時点で試験に適用された標準的うつ病診断基準に適合した患者割合とした。副次的アウトカムには、標準的尺度でのうつ病スコア、身体機能、死亡、再発性脳卒中、有害作用が含まれた。

主な結果: 

1515例の参加者を対象とした14件の試験を含めた。薬剤の試験10件(12件の比較)および精神療法の試験4件のデータが利用可能であった。脳卒中から組み入れまでの期間は数時間から7ヵ月までであったが、ほとんどの患者は急性脳卒中から1ヵ月以内に組み入れられていた。治療期間は2週間から1年であった。うつ病の予防またはその他のエンドポイントに対して薬物療法の明確な効果はみられなかった。精神療法は気分に有意な改善がみられ、またうつ病の予防も明らかであったが、治療効果は小さかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2008.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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