閉経後女性における骨粗鬆症性骨折の一次および二次予防のためのエチドロネート

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著者の結論: 

エチドロネートは1日400mgで、脊椎骨折の二次予防に統計学的に有意で臨床的にも重要な利益を示した。一次予防に使用した場合は、脊椎骨折に統計学的に有意な減少は認められなかった。さらに、エチドロネートを一次、二次予防のいずれかの目的で使用したにもかかわらず、非脊椎骨折、大腿骨近位部骨折、手首関節骨折に統計学的に有意な減少を認めなかった。すべてのアウトカムに対するエビデンスのレベルは「シルバー」である(www.cochranemsk.org)。

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背景: 

骨粗鬆症は骨量の異常減少と骨の劣化であり、骨折リスク増加につながる。エチドロネートはビスホスホネート系の医薬品クラスに属し、破骨細胞の活動を妨げることにより、骨吸収の抑制作用を示す。

目的: 

閉経後女性を対象に骨粗鬆症性骨折に対するエチドロネートの一次および二次予防の有効性を評価する。

検索戦略: 

1966年~2007年に発表された関連性のあるランダム化比較試験について、CENTRAL、MEDLINEおよびEMBASEを検索した。

選択基準: 

閉経後骨粗鬆症のためにエチドロネートを1年間以上投与した女性を、プラセボおよび/またはカルシウム/ビタミンDを同時投与した女性と比較した。アウトカムは骨折の罹患率とした。

データ収集と分析: 

研究の選択とデータ抽出は二重に行った。相対リスクとして表したデータを用いて骨折アウトカムのメタアナリシスを行い、15%を超える相対的変化を臨床的に重要であるとみなした。割付けの隠蔽化、盲検化、中止の報告を通して研究の質を評価した。

主な結果: 

計1248例の患者を対象とした11件の研究を本レビューに含めた。研究8件での脊椎骨折の相対リスク減少(RRR)は41%で、有意であった(RR 0.59、95%CI 0.36~0.96)。二次予防に関する6件の試験から、脊椎骨折のRRRは47%で有意であり(RR 0.53、95%CI 0.32~0.87)、絶対リスク減少(ARR)は5%であった。これに対して一次予防に関する2件の試験をプールした結果(RR 3.03、95%CI 0.32~28.44)は有意でなかった。非脊椎骨折(RR 0.98、95%CI 0.68~1.42)、大腿骨近位部骨折(RR 1.20、95%CI 0.37~3.88)、手首関節骨折(RR 0.87、95%CI 0.32~2.36)のそれぞれのリスクに、統計学的に有意な減少はみられなかった。有害事象について、選択した研究で統計学的な有意差はなかった。しかし、観察データから上部消化管損傷リスクの可能性が懸念された。