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メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か?

要点

確固としたエビデンスがないため、陽圧治療がメニエール病がある人の症状を改善するかどうかは明らかではない。この治療が害をもたらすかどうかについての情報は見つからなかった。

陽圧治療が有効かどうかを確認し、治療による有害な影響がないことを確認するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。

また、メニエール病がある人の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。

メニエール病とはどのような病気か?

メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。

メニエール病はどのように治療するか?

経口薬(錠剤)と生活習慣への介入は、メニエール病の最初の治療としてしばしば用いられる。それでも症状を抑えられない場合は、他の治療法を試みることもある。これには陽圧療法も含まれ、ポンプに取り付けたチューブを耳に入れる。ポンプは圧力の波を発生させ、メニエール病の症状を軽減するのに役立つ。通常、ポンプは1回約5分間、1日3回まで使用できる。

何を調べたかったのか?

以下の内容を検討した:

- 陽圧治療がメニエール病の症状を軽減するというエビデンスがあるかどうか;

- 陽圧治療が害をもたらすかどうか。

実施したこと

陽圧療法を無治療または偽治療(プラセボ)と比較した研究を検索した。

何を見つけたのか?

その結果、3件の研究が見つかり、合計238人が参加した。その効果は最大4か月間持続であったため、この治療法の長期的な効果に関する情報はない。

陽圧治療が短期間(4か月まで)で回転性めまいの症状に違いをもたらすかどうかは不明である。

治療による潜在的な有害性(重篤な副作用)については、どの研究でも報告されていないため、情報はない。

エビデンスの限界は?

実施された研究のほとんどが非常に小規模で、実施に問題があったため、結果の信頼性が低く、エビデンスの確実性は非常に低い。陽圧治療が有効かどうかを調べるには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。

本レビューの更新状況

エビデンスは2022年9月現在のものである。

訳注

《実施組織》 阪野正大、小林絵里子 翻訳[2023.07.07]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD015248.pub2》

Citation
Webster KE, George B, Galbraith K, Harrington-Benton NA, Judd O, Kaski D, Maarsingh OR, MacKeith S, Ray J, Van Vugt VA, Burton MJ. Positive pressure therapy for Ménière’s disease. Cochrane Database of Systematic Reviews 2023, Issue 2. Art. No.: CD015248. DOI: 10.1002/14651858.CD015248.pub2.

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