小児・成人の原因不明のそう痒症(かゆみ)に対する治療法

レビューの論点

原因不明の慢性(6週間以上続く)そう痒症(かゆみ)に対する治療効果を小児・成人を対象に調査したいと考えた。互いに比較されているか、プラセボ(外見は同一であるが不活性な治療法)、偽の処置、または無処置か同等の処置(例えば待機リストに載せる)と比較されているすべての治療法を評価した。私たちは特に、患者または親から報告された安全性とかゆみの強さを評価することに関心を持っていた。

背景

そう痒症(かゆみ)は、掻きむしりたくなる不快な感覚である。皮膚などの病気が原因で発症する。2019年7月までの医学文献を検索し、原因不明のかゆみの治療に用いられる薬物療法と非薬物療法(光線療法など)の効果を調べた。

研究の特性

我々は、重度の慢性そう痒症(参加者は視覚アナログスケール(VAS)で7cm以上のスコアを持っていた)に対して、セルロピタントと呼ばれる薬剤の3つの異なる用量(5mg、1mg、0.25mgを1日1回6週間経口投与)の安全性と有効性について、プラセボと比較検討した1件の研究(257人)を特定した。対象者の年齢は18~65歳、女性は60.6%を占めていた。かゆみの原因が不明なものは55%、皮膚科的診断(アトピー性皮膚炎・湿疹37.3%、乾癬6.7%、にきび3.6%、その他)がついているものは約45%であった。製薬会社が出資したこの研究は、米国の25のセンター(臨床研究センターと大学)で実施された。この研究は合計で10週間続いた(6週間の治療に4週間の治療後のフォローアップを加えた)。

我々が関心を持った主な治療法である、エモリエントクリーム、冷却ローション、コルチコステロイド(ステロイドホルモンの一種)または抗うつ薬の局所投与、抗ヒスタミン薬(アレルギーの症状を和らげるために使用される薬)または抗うつ薬の全身投与、抗けいれん薬、および光線療法に関して、適格な研究は見つけられなかった。

主な結果

0.25mg、5mg、および1mgの用量でセルロピタントを投与された参加者は、プラセボを投与された参加者と比較して、患者が報告したかゆみの強さは減少する可能性が高いかもしれない(低い確実性のエビデンス)。しかし、セルロピタント1mgと0.25mgでは、考えられる結果の範囲では、群間でのはほとんどないかもしれない。

セルロピタント(3種類の用量)の副作用、健康関連QOL、睡眠障害への影響については、エビデンスの確実性が非常に低いため不明である。

主な副作用としては、眠気、下痢、頭痛、上気道感染症などが報告されている。

すべてのアウトカムは治療終了時(研究開始時から6週後)に測定され、有害事象だけは全試験期間中モニターされた。

含まれた研究では、抑うつ状態や患者満足度に対する本薬剤の効果は報告されていなかった。

エビデンスの確実性

参加者の45%が特定可能な皮膚疾患を有し、55%が原因不明のかゆみを有していたため、患者が報告したかゆみの強さに対するエビデンスの確実性は低かった。また、研究参加者数が少なく、アウトカムの発生が少なかったり、結果が不正確であったり無意味なものであったりしたため、ランダムのリスクがあった。

3つのアウトカム(有害事象、生活の質[QOL] 、睡眠障害)については、これらのアウトカムの測定が事前に計画されていないという追加の懸念があったため、エビデンスの確実性は非常に低かった。また、睡眠障害のアウトカムに関するデータ欠落によるバイアスを評価するための情報は得られなかった。

訳注: 

《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳[2020.09.23]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013128.pub2》

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