新生児における敗血症および壊死性腸炎の治療のための経口ラクトフェリン

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新生児、特に未熟児として生まれた乳児は敗血症の血液感染および/もしくは壊死性腸炎の胃腸の炎症や障害の怖れがある。敗血症および壊死性腸炎のかなりの数の新生児が、抗菌薬による治療にもかかわらず、長期間脳や肺の損傷を受けたり死亡したりしている。ラクトフェリンは通常母乳中に存在する物質であるが、感染症や胃腸の障害に対して有効である可能性がある。このレビューは感染症あるいは胃腸の障害のある新生児を治療するためにラクトフェリンを用いた研究を検索したが見つからなかった。ラクトフェリンの潜在的有用性を考慮して、この問題を検討するために綿密にデザインされた研究が将来行われることを我々は推奨する。

著者の結論: 

実践に対する考察:現在、抗菌薬療法の補助薬として新生児の敗血症または壊死性腸炎治療に対するラクトフェリンの使用を推奨するあるいは誤りを証明するエビデンスは存在しない。

研究に対する考察:ラクトフェリンのそれぞれ異なる調製法と用量の安全性および有効性が新生児において確立される必要がある。新生児の敗血症および壊死性腸炎治療において、ラクトフェリンの有効性および安全性を検討するためには、綿密にデザインされ適切な検出力のある ランダム化多施設臨床試験が必要である。これらの試験は、短期間の転帰に加えて、長期間の神経発達の転帰および肺疾患の転帰を評価する必要がある。

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背景: 

新生児敗血症および壊死性腸炎(NEC)は適切な抗菌薬治療にもかかわらず、かなりの新生児の死亡率および罹患率の原因となる。敗血症および/もしくはNECの治療において抗菌薬の補助薬としてラクトフェリンを用いることにより、生体防御機能を高め、炎症を和らげることによって臨床上の転帰が改善される可能性がある。

目的: 

主目的は、敗血症および/もしくはNECの疑いがあるか確定診断されている新生児の治療において、抗菌薬の補助薬としての経口ラクトフェリンの安全性および有効性を評価することである。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL、The Cochrane Library)、MEDLINE、PREMEDLINE、EMBASE、CINAHL、ウェブサイトのwww.clinicaltrials.govおよびwww.controlled-trials.com、Pediatric Academic Societies (1990年~2011年7月)の年次会合からの抄録の中で、あらゆる言語で記載された関連のある臨床試験を2011年7月に検索した。確認された臨床試験の参考文献の一覧表およびレビューア の個人ファイルの中から、この分野で論文発表した著者らに問合せを行い検索した。

選択基準: 

確定診断されたあるいは疑いのある敗血症および壊死性腸炎(ベルステージIIまたはIII)の月経後年齢44週までのあらゆる在胎週数の新生児を治療するために、プラセボの有無にかかわらず抗菌薬単独療法、または他の抗菌薬補助療法と比較した、抗菌薬療法に対する補助薬として用いられたあらゆる用量または投与期間の経口ラクトフェリンを評価するランダム化または準ランダム化比較試験。 

データ収集と分析: 

我々はこの研究の系統的レビュー を実施するため、および方法論的質を評価するために Cochrane Neonatal Review Group (CNRG)の標準化法を用いた(http://neonatal.cochrane.org/en/index.html)。その検索方法に依って確認された研究の題目とアブストラクトはその二つのレビューの著者らにより別々に評価された。必要な場合は評価のために全文を入手した。試験の選択または除外とデータ抽出のために形式がデザインされた。

主な結果: 

新生児敗血症または壊死性腸炎治療のためにラクトフェリンを評価した適格な新生児の臨床試験は同定されなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.28]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
 CD007138 Pub3

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