成人および小児の慢性喘息に対する緩和薬(relief medication)としてのホルモテロールおよび吸入ステロイドの併用とβ2作動薬との比較

著者の結論: 

軽度の喘息の場合、喘息症状の緩和にブデソニド/ホルモテロール吸入器を使用する患者において、臨床的に意味のある何らかの利益が得られるかどうかは依然として不明である。さらに重度の喘息の場合、2件の研究で、吸入ステロイドによってコントロールされず、また過去1年間に増悪を経験し、その後、研究の両比較群で維持療法の吸入ステロイドを減量していた患者を組み入れていた。それらの研究は、維持療法のためのブデソニド/ホルモテロールおよび緩和療法のためのテルブタリンまたはホルモテロールと比較し、維持療法と緩和療法のためのブデソニド/ホルモテロールは経口ステロイド薬を必要とする増悪リスクを減少させることを示した。同様に吸入ステロイドでコントロールされず、研究開始時に維持療法のための吸入ステロイドを減量した小児を組み入れている1件の研究では、小児の重篤な有害事象の発現率は維持療法と緩和療法のためにブデソニド/ホルモテロールを使用していた群で低かった。この研究は、治療に承認されていない探索的維持用量のブデソニド/ホルモテロールについても比較していた。

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背景: 

ホルモテロールは作用発現が速いことから、喘息症状を緩和するために使用できる。配合吸入薬は、ホルモテロールを異なる用量の吸入ステロイドと一緒に送達できる。発作治療薬として使用する際には、喘息症状が増すにつれ頻回に両薬剤が使用されることになる。このことは、増悪の初期段階で気管支収縮と炎症の両方を治療する可能性を秘めている。

目的: 

慢性喘息の成人および小児を対象に、発作治療法として使用した際のホルモテロール+吸入ステロイド配合吸入薬の有効性と安全性を評価する。

検索方法: 

2009年4月に、Cochrane Airways Group trials registerの最終検索を行った。本レビューに含める新しい研究は見出せなかった。

選択基準: 

慢性喘息の成人および小児を対象に、喘息症状を緩和させるためのホルモテロール+吸入ステロイド配合吸入薬を短時間作動型β2作動薬単独と比較しているランダム化試験。これは試験群の間で計画された唯一のであるはずである。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に各研究の特性と結果を抽出した。著者または製造業者に主要アウトカム関連した未発表データの提供を依頼した。

主な結果: 

5905例の参加者を対象とした3件の試験を含めた。維持療法を必要としない軽度の喘息患者では、ホルモテロールと比較してブデソニド/ホルモテロールはリリーバーとして臨床的に意味のある利点を見出せなかった。2件の研究はさらに重度の喘息患者を組み入れており、これらの患者は高用量の吸入ステロイド(成人に対して約700mcg/日)によってもコントロールされず、過去1年間に臨床的に重大な喘息増悪を経験していた。維持療法と緩和療法のためのブデソニド/ホルモテロールを使用する群と、維持療法のための同量のブデソニド/ホルモテロールおよび緩和療法のためのテルブタリンを使用する群とを比較している2件の研究では、喘息に関連した入院オッズ比が0.68(95%CI 0.40~1.16)であり、これは統計学的に有意な減少ではなかった。成人では、テルブタリンと比較して、経口ステロイドを必要とする増悪が減少しており、オッズ比は0.54(95%CI 0.44~0.65)であった。すなわち、治療必要数は12ヵ月間に15例(95%CI 13~21)であった。小児を対象とした研究では、維持療法と緩和療法のために使用されたブデソニド/ホルモテロールは、重篤な有害事象が少ないことが示された。テルブタリンと比較して、ブデソニド/ホルモテロールをリリーバーとして使用していた小児の1年間の成長に有意を認めなかった。

訳注: 

監  訳: 尹 忠秀,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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