非転移性大腸癌の患者に対する補助化学療法の期間

著者の結論: 

今回のメタアナリシスにより、CRCの補助化学療法は6ヵ月以上継続すべきでないことが確認された。期間延長により、リスク比の利益は低くなると思われる。しかし本結果から、3ヵ月または6ヵ月のいずれかの期間が良好であるかを支持することはできない。本結果は異なる期間の連続的治療を比較する将来のRCTをデザインする上で助けとなるはずである。

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背景: 

原発性腫瘍の手術が、大腸癌治療(CRC)の要である。しかし第3期癌では転移や局所再発がしばしば認められる(50%)。このため、この設定では補助療法が常に検討される。仮説的疾患の最良治療期間を定めることは容易ではない。CRCに対する補助化学療法は実際に6ヵ月間継続される。至適期間の選択は5-フルオロウラシル(5FU)を用いた古い研究に基づいている。この10年間に補助療法の異なる治療期間および異なるスケジュールを比較している主要なランダム比較研究(RCT)の結果が発表された。数件の研究は6ヵ月の化学療法をさらに長い治療期間と比較していた。逆に、Chauらの1件の研究は6ヵ月の化学療法を3ヵ月の化学療法と比較していた。しかし、これらの化学療法の至適期間は検討に値するテーマである。CRCでの化学療法の至適期間が重大な課題であっても、そのことについて今まで適切に答えることは全くなかった。

目的: 

補助療法の至適期間を評価するために、補助療法の2つの期間、すなわち6ヵ月と9~12ヵ月を比較しているすべてのRCTを統合した1件のメタアナリシスを行った。

検索方法: 

PubMed(2009年2月28日)、Embase、およびコクラン・ライブラリ2009年第1号のCochrane Database of Clinical Controlled Trials(CENTRAL)から発表文献を同定した。総説および書籍も詳細に調べた。1998年~2009年のASCO学会年次総会の予稿集をレビューした。

選択基準: 

再発リスクの高い外科的に切除された大腸癌の患者。

データ収集と分析: 

数件のRCTは短期的化学療法を長期的化学療法と比較しており、6件の研究は全生存期間(OS)について、7件の研究は無再発生存期間(RFS)について比較していた。患者総数は10,326例、平均年齢は63.1歳であり、結腸癌9,826例、直腸癌500例であった。

主な結果: 

治療は全て5-FUベースの治療であった。2件の研究が除外された:すなわち、疫学研究1件および3ヵ月間の連続治療を従来の6ヵ月間の化学療法と比較していた1件の研究。後者の研究は6ヵ月以下の2つの期間を比較していたためである。短期的な化学療法(3~6ヵ月)は、長期的な化学療法(9ヵ月~12ヵ月)と比較して、RFSの不良(RR=0.96、95%CI 0.90~1.02)およびOSの不良(RR=0.96、95%CI0.91~1.02)と関連性がなかった。

訳注: 

監  訳: 柴田 実,2010.4.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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