入院および外来での18歳未満の健康な小児における市中肺炎に対する異なる抗菌薬

肺炎は5歳未満の小児において死亡原因の第1位である。低所得国における市中感染肺炎(CAP)のほとんどの症例は細菌に起因する。この系統的レビューは、14,188人の小児を登録し、小児のCAP治療のための抗菌薬を比較している、多くの異なる国からの29件のランダム化比較試験を同定した。ほとんどは単独研究であった。

著者らは、肺炎の外来治療として、アモキシシリンがコトリモキサゾールの代替治療であることを見出した。低酸素血症を伴わない重症の肺炎 (すなわち酸素濃度の低下) で、栄養状態が良好な小児には、アモキシシリンの経口投与が効果的な場合がある。非常に重症の肺炎には、ペニシリンまたはアンピシリンとゲンタマイシンの併用がクロラムフェニコール単独よりも効果的である。多くの研究で、有害事象は報告されていなかった。有害事象に関して報告されていた場合、アジスロマイシンよりエリスロマイシンの方が胃腸系の副作用がより多く報告されたことを除いて、2つの薬剤の間に差はなかった。

このレビューの限界は、すべての質的評価基準に合致した研究が5つのみだったこと、抗菌薬の有効性に関する比較のほとんどが1つまたは2つの研究しか利用できなかったことである。

訳注: 

《実施組織》 増澤祐子 翻訳、福岡かほる(東京都立小児総合医療センター 感染症科・免疫科) 監訳 [2020.02.13]
《注意》 この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
《CD004874.pub4》

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