中薬(中医学の薬草療法)による風邪の治療

風邪はあらゆる年齢層で最も流行している急性呼吸器病である。中国では、風邪の治療に多数の中薬(中医学の薬草療法)が使用されている。本レビューでは3212名が参加した17件の試験を対象としたが、バイアスのリスクがきわめて高く、風邪に対する中薬の使用を支持するエビデンスは得られなかった。優れた試験デザインの臨床試験が必要である。

著者の結論: 

中薬は感冒の顕性期を短縮させる可能性がある。しかし、バイアスのリスクが十分低い試験、またはプラセボもしくは明確に規定された薬物を対照に用いた試験の数が不足しているため、十分な確かさをもって感冒に中薬を推奨することができない。

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背景: 

中国では、感冒の治療に中薬(中医学の薬草療法)が多く用いられている。これまで、感冒に対する中薬の有効性のシステマティック・レビューは行われていない。

目的: 

感冒に対する中薬の有効性および安全性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL) (The Cochrane Library 2008年2号)を検索した。これには、Cochrane Acute Respiratory Infections Group's Specialised Register; MEDLINE (1966年〜2008年5月)、EMBASE (1980〜2008年5月)、AMED (1985年〜2008年5月)、the Chinese Biomedical Database (CBMdisc) (1978年〜2008年5月)およびChina National Knowledge Infrastructure (CNKI) (1994年〜2008年5月)が含まれる。

選択基準: 

感冒の治療に対する中薬の有効性を検討したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

4名のレビュー著者が、検索で特同定したRCTの試験著者に電話をかけ、ランダム化の手順を確認した。2名のレビュー著者が、選択基準に適合した試験のデータを抽出し、解析した。

主な結果: 

3212名を対象とした17試験を特同定した。15件では、方法のバイアスのリスクが高かった。バイアスのリスクが低かったのは2件のみであった。試験では、対照に効果不明の「実薬」を使用していた。ほぼすべての試験で処方の異なる中薬を試験対象としていた。同一処方の中薬で2回試験を行ったのは、1件のみであった。7件の試験では、6種類の中薬が対照薬と比較して優れた回復促進効果が認められた。他の10件の試験では、7種類の中薬について対照薬との有意が認められなかった。1件では介入群と対照群のが記述されていなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.19]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
 CD004782 Pub2

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