成人における脳卒中後の尿失禁治療

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著者の結論: 

今回利用できた試験からのデータでは、脳卒中後の成人に対する排尿自制ケアの指針を示すには不十分である。しかし、ケアの系統的な評価と管理に基づく専門医療の提供および専門家による排尿自制看護は、脳卒中後の尿失禁、それに関連した症状を軽減できうるとのエビデンスがあった。脳卒中後の排尿自制ケアに対して介入が提唱されており、どの程度の介入にすべきかについては、より質の高いエビデスが要求されている。

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背景: 

脳卒中後に入院した患者の40~60%が尿失禁となる可能性があり、25%は退院時にも依然として同じ問題を抱えており、15%は1年経過後にも残っている。

目的: 

成人を対象に脳卒中後の尿失禁に対する最適な治療法を評価する。

検索方法: 

Cochrane Incontinence registerおよびStroke Groups specialised register(それぞれ2007年3月15日、2007年3月5日に検索)、CINAHL(1982年1月~2007年1月)、未発表データについては、国内外の試験データベースおよび関連する論文の参照文献リストを検索した。

選択基準: 

脳卒中後の人を対象に排尿自制を促すようにデザインされた介入の効果を評価していたランダム化または準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にデータを抽出し、試験の質を評価した。それが一致しない場合は、第3のレビューアが解決した。

主な結果: 

計724例の参加者を対象にした12件の試験を本レビューに含めた。参加者の背景状況、年齢層、脳卒中回復のどの時期かは様々であった。行動介入3件の試験で、指定時刻の排尿、骨盤底筋の訓練などの行動介入を評価していた。すべての試験サンプル・サイズは小さく、信頼区間は広かった。特別な専門家による介入2件の試験で、専門家による様々な介入を評価していた。結果は介入群に有利な傾向があった。早期リハビリテーションの小規模な1件の研究で、系統的な評価と管理を行った人の方がコントロール群よりも退院時に尿失禁のある人が少なかった(21例中1例対13例中10例、RR0.06、95%CI 0.01~0.43)。2番目の試験では、Continence Nurse Advisorによる評価と管理に参加した人は、尿路症状が少なく(89例中48例対54例中38例、95%CI 0.59~0.99)、ケアへの満足度が統計学的に有意に高かった。代替医療による介入3件の小規模試験の報告ではすべて、鍼療法に参加した人はその後、尿失禁が少なかったが(全体的なRR 0.44、95% 0.23~0.86)、特に研究の質についての懸念があった。薬物療法およびホルモン療法による介入メクロフェノキサート、オキシブチニンまたはエストロゲンを割り付けた群を対象とした3件の小規模な試験があった。メクロフェノキサートの試験で実薬群の方がコントロール群よりも尿路症状が少なかったことを除いて(40例中9例対40例中27例、RR 0.33、95%CI 0.18~0.62)、他の両群で明らかなはなかった。

訳注: 

監  訳: 大神 英一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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