閉経前乳癌患者における乳房手術の時期

著者の結論: 

RCTがない状況で、本レビューにより、大規模前向き観察研究から手術時期は生存に対し有意な効果を示さないというエビデンスが得られた。

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背景: 

乳癌と診断された女性の大多数は、手術的介入と放射線療法または化学療法、あるいはその両方とによる集学的治療を受ける。月経周期と関連した腫瘍除去の手術時期の重要性およびその無病生存と総生存への影響について研究者らが1989年以降研究してきたが、今なお推論の状態である。

目的: 

月経周期の卵胞期または黄体期のいずれかで実施した手術が、閉経前の乳癌患者の総生存および無病生存に影響するか検討すること。

検索方法: 

Cochrane Breast Cancer Group Trials Register(2009年1月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ、2009年Issue 1)、MEDLINE(1966年~2009年1月)、EMBASE(1974年~2006年9月)、WHO International Clinical Trials Registry Platform(ICTRP)検索ポータル(2010年7月)を検索した。論文の参照文献リストを検索し著者と連絡を取った。

選択基準: 

閉経前女性を対象に、月経周期の卵胞期での乳癌手術を黄体期と比較したランダム化比較試験(RCT)。ランダム化試験がなかった場合、前向きの非ランダム化試験または観察研究を考慮した。

データ収集と分析: 

3名のレビューアが別々にデータを抽出し試験の質を評価した。

主な結果: 

完了したランダム化試験は認められなかった。現在イタリアで進行中の1件の試験があったが結果はまだ発表されていない。2件の前向き観察研究で無再発生存に関するデータを認めた。1件の研究は再発率についてオッズ比(1を超える場合黄体期の方が有利)を報告しており、1年目は0.86[95%信頼区間(CI)0.69~1.08)]、2年目は0.87(95%CI 0.69~1.09)、3年目は0.95(95%CI 0.75~1.21)、4年目は1.12(95%CI 0.87~1.43)、5年目は1.12(95%CI 0.87~1.43)であった。もう1件の研究は、最終月経周期と最初の月経周期に基づき、3年目の総生存についてのハザード比1.02(95%CI 0.995~1.04、P = 0.14)、無病生存についてのハザード比1.00(95%CI 0.98~1.02、P = 0.92)を報告していた。結果に有意性はなかった。月経周期の卵胞期と黄体期で実施された手術に再発率のはなかった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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