脳卒中後の感情的傾向に対する薬学的介入

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著者の結論: 

抗うつ薬は泣くというエピソードや笑うというエピソードの頻度と重症度を軽減することができる。その効果は1つの薬剤あるいは薬剤クラスに特異的ではないようである。これらの研究にはいくつかの方法論的欠陥があったことにより、我々の結論は、限定しなければならない。脳卒中後感情的傾向の治療について勧告を作成できるまでにはより多くの信頼できるデータが必要である。

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背景: 

脳卒中に伴う異常号泣の治療に抗うつ薬は有用なことがある。これは2004年に最初に発表されたコクラン・レビューの最新情報である。

目的: 

薬学的治療は、脳卒中後感情的傾向がある人における感情表現の頻度を減じるか否かを検討すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke GroupおよびCochrane Depression Anxiety and Neurosis Groupの試験登録を検索した(最終検索日2009年8月)。さらに、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ 2009年第3号)、MEDLINE(1966年から2008年5月まで)、EMBASE(1980年から2008年5月まで)、CINAHL(1982年から2008年5月まで)、PsycINFO(1967年から2008年5月まで)、Arts and Humanities Index(1991年から2008年5月まで)、BIOSIS Previews(2002年から2008年5月まで)、Science Citation Index(1992年から2008年5月まで)、Social Sciences Citation Index(1991年から2008年5月まで)、Sociological Abstract/Sociofile(1974年から2008年5月まで)、ISI Web of Science(2002年から2008年5月まで)、参考文献リスト、臨床試験登録、学会抄録および、学位論文抄録を検索した。また、著者、研究者、製薬会社に連絡を取った。

選択基準: 

脳卒中と感情的傾向(情緒不安定あるいは病的な泣きや笑いとしても知られる)を有する患者を対象として、向精神薬とプラセボを比較しているランダム化比較試験(RCT)および準ランダム化比較試験(QRCT)。

データ収集と分析: 

感情的傾向の基準をもはや満たしていない、または泣く頻度が減少している人についてデータを得た。一次解析は、治療終了時に感情的傾向の基準を満たしていた患者割合であった。二次アウトカムは感情的傾向と抑うつのスコア、認知機能、死亡、日常生活動作、および有害作用であった。

主な結果: 

239例が参加した7件の試験を選択した。データは5件の試験213例の参加者に対して入手可能であった。5件の試験は大きな治療効果を示した:感情的傾向の50%低下、泣き易さの減少、不安定性、泣き易さおよびPathological Laughter and Crying Scaleスコアの改善(軽減)を示した。しかし、信頼区間が広いことから、治療はわずかなポジティブな効果、または小さいネガティブな効果(1件の試験)をも示している。2件の研究のみが有害事象を系統的に報告したが、群間で認識できるは認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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