動脈瘤性クモ膜下出血の患者に対する血管内コイル塞栓術と神経外科的クリッピング術の比較

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著者の結論: 

上に述べたエビデンスは、主に1件の大規模試験に由来するものである。破裂した動脈瘤が前方循環または後方循環のいずれかにある臨床状態の良好な患者には、外科的クリッピング術と血管内治療がいずれも適応がある動脈瘤とみなされる場合、コイル塞栓術のほうが良好なアウトカムと関連しているとの確固たるエビデンスが認められる。

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背景: 

動脈瘤性クモ膜下出血(SAH)を発症した患者は、動脈瘤を治療しなければ再出血のリスクが非常に高い。この数十年間、動脈瘤の頸部をクリップで挟む外科手術が標準治療であった。しかしこの数年に、これに代わる治療法として、取り外し可能なコイルを挿入して動脈瘤を塞ぐ方法が導入され、よく使用されるようになっている。

目的: 

動脈瘤性クモ膜下出血の患者に対する血管内コイル塞栓術と神経外科的クリッピング術の効果を比較する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2005年2月最終検索)を検索した。このほかに、MEDLINE(1966~2004年1月)およびEMBASE(1980~2004年1月)を検索し、試験実施者に問い合わせた。

選択基準: 

動脈瘤が証明されたSAH患者を対象に、動脈瘤の血管内コイル塞栓術を神経外科的クリッピング術と比較したランダム化試験を組み入れた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立してデータを抽出し、試験の質を評価した。試験実施者に問い合わせて欠測情報を入手した。

主な結果: 

3件のランダム化試験を同定した。2件は発表済み、1件は未発表の試験であった。総数2,272名の患者を対象とした(試験1件あたりの患者数は20~2,143)。患者の大半が良好な臨床状態にあり、前方循環(内頚動脈系)に動脈瘤があった。1年間の追跡後、クリッピング術と比較したコイル塞栓術の不良アウトカムの相対リスク(RR)は0.76であった(95%信頼区間(CI)0.67~0.88)。絶対リスク低下は7%(95%CI 4~11%)であった。不良アウトカム全体についての最悪ケースシナリオ分析では、クリッピング術と比較したコイル塞栓術の相対リスクは0.81(95%CI 0.70~0.92)、絶対リスク低下は6%(95%CI 2~10%)であった。前方循環に動脈瘤のある患者では、不良アウトカムの相対リスクは0.78(95%CI 0.68~0.90)、絶対リスク低下は7%(95%CI 3~10%)であった。後方循環(椎骨脳底動脈系)に動脈瘤のある患者では、相対リスクが0.41(95%CI 0.19~0.92)、絶対リスク低下は27%(95%CI 6~48%)であった。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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