急性脳卒中に対する血管作用薬

著者の結論: 

急性脳卒中後、血圧変化がアウトカムに及ぼす影響を確実に評価するための十分なエビデンスはない。しかし、DCLHbによる治療は臨床的アウトカム不良と関連した。β受容体拮抗薬、CCB、一酸化窒素、プロスタサイクリンはそれぞれ脳卒中急性期中に血圧を低下させた。これに対してDCLHbは血圧を上昇させた。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

脳卒中の急性期に血圧を積極的に変化させるべきかどうかは不明である。

目的: 

急性脳卒中の人を対象とした降圧または昇圧効果を検討し急性脳卒中における様々な血管作用薬が血圧に示す作用を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索日2009年6月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ 2009年第4号)、MEDLINE(1966年から2009年10月まで)、EMBASE(1980年から2009年10月まで)、およびScience Citation Index(1981年から2009年10月まで)を検索した。

選択基準: 

薬理学に基づき、急性脳卒中発症1週間以内の患者における血圧を変化させた場合に予想される介入についてのランダム化試験

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に試験選択基準を適用し、試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

18,000例を超える患者を含む131件の試験、さらに13件の進行中の試験が同定された。43件の試験(患者7649例)のデータを得た。降圧試験では、β受容体拮抗薬が血圧を低下させた(初期収縮期血圧(SBP)平均差(MD)-6.1 mmHg、95%CI -11.4~-0.9;後期SBP MD -4.9 mmHg、95%CI -10.2~0.4;後期拡張期血圧(DBP)MD -4.5 mmHg、95%CI -7.8~-1.2)。経口投与のカルシウムチャンネル遮断薬(CCB)が血圧を低下させた(後期SBP MD -3.2 mmHg、95%CI -5.4~-1.1;初期DBP MD -2.5、95%CI -5.6~0.7;後期DBP MD -2.1、95%CI -3.5~-0.7)。一酸化窒素供与体が血圧を低下させた(初期SBP MD -10.3 mmHg、95%CI -17.6~-3.0)。プロスタサイクリンが血圧を低下させた(後期SBP MD -7.7 mmHg、95%CI -15.6~0.2;後期DBP MD -3.9 mmHg、95%CI -8.1~0.4)。昇圧試験では、ジアスピリン架橋ヘモグロビン(DCLHb)が血圧を上昇させた(初期SBP MD 15.3 mmHg、95%CI 4.0~26.6;後期SBP MD 15.9 mmHg、95%CI 1.8~30.0)。DCLHbが死亡+依存性の複合アウトカム を増加させたことを除いて(オッズ比(OR)5.41、95%CI 1.87~15.64)、どの薬剤クラスもアウトカムを有意に変化させなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.3.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save