非転移性大腸癌の治療患者の追跡ストラテジー

この日本語訳は最新版ではない。英語の最新版をご覧になるにはここをクリックしてください。
著者の結論: 

今回のレビュー結果は、大腸癌に対する治癒手術後の患者の追跡強化が全生存率の点で利益があることを示唆している。採択された研究で用いられている追跡プログラムのが大きいことから、これらの患者のアウトカムを最大化するための診療所(または家庭医)への受診、血液検査、内視鏡検査およびX線検査の最良の組み合わせおよび回数を、データから推定することはできない。また、この臨床分野での費用対効果的アプローチを採用するために、これらの患者に対する徹底した追跡強化の有害性や費用を推定することもできない。進行中またはまもなく開始される大規模な臨床試験は、これらの臨床上の不確定分野を明確にするための有用なさらなる情報提供に寄与するものと思われる。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

大腸癌(CRC)患者において根治的手術および/またはアジュバント療法後に数年間にわたってCRC患者を追跡することが一般的な診療である。このような診療が広く実施されているにもかかわらず、どれくらいの頻度で患者を診察すべきか、どの検査を施行すべきか、これらの種々の戦略が患者アウトカムに何らかの有意な影響を及ぼしているか否かについては、かなりの議論がある。

目的: 

生存の観点から、大腸癌患者に対する徹底的追跡の利益に関するエビデンスをレビューする。副次的エンドポイントは、再発と診断されるまでの期間、生活の質、ならびにサーベイランスと調査の有害性と費用とした。

検索方法: 

MEDLINE、EMBASE、CINAHL、CANCERLIT、Cochrane Controlled Trials Register、Science Citation Index、学会議事録, 試験登録、参照文献リストを電子検索し、当該分野の専門家に問い合わせて関連試験を同定した。

選択基準: 

治癒目的の治療を受けた非転移性大腸癌患者に対して異なる追跡ストラテジーを比較したランダム化比較試験に限定した。

データ収集と分析: 

試験の適格性および方法論的質は3名のレビューアが独自に評価した。

主な結果: 

今回のレビューの改訂では、8件の研究が採択された。より徹底した追跡を行った患者では、全5年生存率に利益があることを示すエビデンスがあった。OR0.73(95% CI0.59~0.91)、RD-0.06(95% CI-0.11~-0.02)であった。再発の絶対数は同等で、OR0.91(95% CI0.75~1.10)、RD-0.02(95% CI-0.06~0.02)であった。無再発期間の重み付け平均差は有意に減少し、-6.75(95% CI-11.06~-2.44)であったが、研究間で顕著な異質性がみられた。解析の結果、より多くの検査を実施した方が少ない検査よりも(OR0.64[95% CI0.49~0.85]、RD-0.09[95% CI-0.14~-0.03])、また肝画像検査を実施した方が実施しないよりも(OR0.64[95% CI0.49~0.85]、RD-0.09[95% CI-0.14~-0.03])死亡率において利益があることが示された。徹底した追跡が行われた群では、より根治的な手術手技が有意に試みられていた(OR2.41[95% CI 1.63~3.54]、RD0.06[95% CI0.04~0.09])。生活の質、有害性または費用対効果についてのさらなる解析のための有用なデータはなかった。

訳注: 

監  訳: 2007.7.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Share/Save