周期的なプロゲストーゲン投与は、他の治療方法と比較して、過多月経に対して効果的で安全だろうか?

背景

過多月経は、実際の失血量とは無関係に、身体的、感情的、社会的または物質的な女性の生活の質(QOL)を妨げるほどの月経(生理)期の出血をいう。過多月経の女性の多くは、子宮筋腫などの関連した身体的原因がないため、手術によらない助けを得ることは魅力的な選択肢である。周期的なプロゲストーゲン投与では、過多月経の治療のために、10日間または3〜4週間の間、ホルモンを含む錠剤を内服する(短期的あるいは長期的な周期的プロゲストーゲン投与法)。

試験の特性

本レビューでは、計1071人の女性を対象とした、15のランダム化比較試験(人々が2つ以上の治療群のいずれかにランダムに組み込まれる臨床試験)を同定し、過多月経に対する他の治療(他の経口薬、子宮内および腟内リング)と経口プロゲストーゲン投与を比較した。主要アウトカムは、月経の出血と治療に対する満足度とした。副次アウトカムは、出血した日数、QOL、コンプライアンス(訳注:治療を遵守すること)と治療の受容性、有害事象およびコストであった。エビデンスは2019年1月現在のものである。

主要な結果

本レビューによって、月に10日間プロゲストーゲン錠剤を内服した短期間投与では、他の治療方法と比較して、月経期の出血量を減らすのにあまり効果的ではなかったことが示唆された。他の治療方法と比較して、過多月経の女性の満足度やQOLを向上させたのか、あるいは副作用の違いに関連していたかについては、明らかにならなかった。月経期の出血を減らすのにあまり効果がなかったにもかかわらず、治療に対する満足度はトラネキサム酸やプロゲストーゲンを放出する子宮内装置などの他の治療方法と同様であった。

月経周期の5日目から26日までの3~4週間、経口でプロゲストーゲン錠剤を内服した長期間投与では、月経期の出血量を減少させるが、この治療法はトラネキサム酸、経口避妊薬およびレボノルゲストレル放出子宮内装置と比較して効果が弱いかもしれない。QOLを比較して報告した研究はなかった。治療に対する満足度は、腟リングと併用した場合と同様だったが、長期間投与とレボノルゲストレル放出子宮内装置やトラネキサム酸との比較に関するデータはなかった。頭痛の発生率が異なるという証拠はなかったが、プロゲストーゲンの長期間投与群では、他の治療方法と比較して破綻出血の発生率が有意に低かった。

エビデンスの質

過多月経に対する、経口プロゲストーゲン(短期的および長期的投与)と他の治療方法とを比較したエビデンスの質は、低いか非常に低かった。すなわち、レビューの結果が非常に不確かであることを意味する。主な限界は、バイアスのリスク(どちらの治療を受けているのか女性や研究者たちが知っていたことが効果に影響を与える可能性があること、また、試験から途中で脱落した女性の数が多かったこと)および矛盾の存在(研究間で結果が異なっていたこと)である。

訳注: 

《実施組織》杉山伸子、内藤未帆 翻訳[2019.09.02] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD001016》

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