喘息の急性増悪後の再発を予防するための副腎皮質ステロイド

著者の結論: 

喘息増悪に対する評価後の短期間のステロイドは、副作用の明らかな増加を伴うことなく、その後のケア、入院および短時間作用型β2刺激薬の使用を必要とする再発数を有意に減少させる。ステロイドの筋肉内投与および経口投与はともに有効である。

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背景: 

急性喘息は、毎年、救急部(ED)を受診する多くの患者の原因である。12~16%は再発し、ED退院から2週間以内にさらに介入が必要となる。急性喘息治療の基本は、気管支けいれんの迅速な逆転および気道炎症の軽減である。

目的: 

急性喘息増悪の評価および治療後に、急性期医療現場(すなわち、通常は救急部)を退院した喘息患者の治療に対して、副腎皮質ステロイド(経口、筋肉内、または静脈内)の利益を判定する。

検索方法: 

Cochrane Airways Group Specialised Registerおよび論文の参照文献リストを検索した。さらに、未発表の研究を捜し出すために、選択した全研究の著者に問い合わせた。最新の検索は2006年6月に行った。

選択基準: 

成人または小児の喘息増悪の外来治療について、2種類のステロイド(経口、筋肉内または吸入)とプラセボを比較したランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。その後追加された情報については、研究著者に問い合わせた。

主な結果: 

患者374例を対象とした6件の試験を含めた。1件の試験はステロイドの筋肉内(IM)投与が行われており、5件の試験ではステロイドの経口投与が行われていた。本レビューを2つのレビューに分けた。最新の検索ではその後追加されたプラセボ比較試験はなかったが、その後追加されたIM研究を含めた。ステロイド群では、最初の1週間に再発し追加の治療を受けた患者は有意に少なかった(相対リスク(RR)0.38;95%信頼区間(CI)0.2~0.74)。この有利な効果は、最初の21日間継続した(RR 0.47;95% CI 0.25~0.89)。その後の入院は少なかった(RR 0.35;95% CI 0.13~0.95)。ステロイドが投与された患者では、β2刺激薬の必要性が少なかった(平均差(MD)-3.3 回/日;95% CI -5.6~-1.0)。最初の7~10日間の肺機能検査の変化(SMD 0.045;95% CI -0.47~0.56)および副作用(SMD 0.03;95% CI -0.38~0.44)はまれにしか報告されていなかったが、治療群の間で有意はなかった。副作用の結果について統計学的に有意な異質性が確認された。しかし、他のすべてのアウトカムは均質であった。以上の結果から、喘息増悪後、追加治療を必要とする再発を予防するための治療必要数はわずか患者10例であった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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