骨盤位の場合の経腟分娩における急速遂娩と標準的分娩の比較

論点

出産時の母体と胎児両方にとって最良のアウトカムは、児が頭から生まれてくることである。胎児が別の態勢の場合は、帝王切開の必要性を含めて合併症のリスクが高くなる。骨盤位では、胎児の頭ではなく臀部が子宮の出口に向いている。このレビューでは、骨盤位の時には急いで児を娩出するほうが良いのではないかというエビデンスを調べた。

医師は児の娩出を早くすることを「急速遂娩」と呼ぶ。腹部が娩出された後、一回の子宮収縮で児頭が娩出されることを言う。

重要と考える理由

急速遂娩は、胎児の低酸素状態を防ぐことができる可能性がある。骨盤位では、へその緒が児頭と膣壁に挟まれ、圧迫されてしまう可能性があるため、児の低酸素状態のリスクとなる。へその緒が圧迫されつぶれてしまうと、児に十分な血液が行き渡らない。しかし、急速遂娩は、児や母親を傷つけてしまう可能性がある。

得られたエビデンス

2015年5月までの研究を検索したが、信頼できる研究は見つからなかった。

結果が意味すること

胎児が骨盤位の場合、出産のスピードアップ(「急速遂娩」)が役立つかどうかについては、信頼できる研究からのエビデンスはない。

訳注: 

《実施組織》小林絵里子、阪野正大 翻訳[2020.07.25]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD000082.pub3》

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