中心性漿液性脈絡網膜症に対する介入

レビューの論点
中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorioretinopathy:CSC)に対する治療の効果は?他のどの治療法よりも優れている治療法はあるのか?

背景
CSCは、目の奥の症状 である。「網膜」(光をとらえて電気信号に変換し、脳に送る)が剥離する。CSCは、若年層や中年層、特に男性に多く見られる。視力の問題につながる可能性がある。CSCを発症しても、ほとんどの人は自然に回復するが、一部の人は問題を抱えたままで、永久に視力を失うこともある。CSCの治療法としては、レーザー治療や眼球後部の液体を減少させる生物学的薬剤の注射など、さまざまな方法が提案されている。

研究の特性
本科学的根拠(エビデンス)は2015年10月5日現在のものである。ブラジル、中国、ドイツ、インド、イラン、イタリア、日本、メキシコ、韓国、タイ、トルコ、英国、米国から合計1098例の参加者が登録された。参加者の年齢はほぼ同じで、ほとんどが男性であった。参加者の症状はさまざまで、20日以内のものから半年間のものまであった。ほとんどの研究は資金源を報告しておらず、4件は産業界からの資金提供、6件は産業界以外からの資金提供であった。

主要な結果
これらの研究では、さまざまな治療法が検討された。そのため、治療効果を示す良好なエビデンスを得るためには、どの治療法についても十分な研究が行われていなかった。一般的には、重大な副作用は認められなかった。

エビデンスの質
現在入手可能な報告済みエビデンスの全体的な質は、低いまたは非常に低いものであった。この研究結果は、今後報告される研究が、本レビューの結論に重要な影響を与える可能性が高いことを示している。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2021.11.12] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD011841.pub2》

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