夜勤を行うシフトワーカーの眠気や睡眠障害に対する非薬物介入(薬を使わない介入)

要約

シフト制の仕事をしている人、特に夜勤をしている人は、仕事中に眠くなったり、仕事の後に睡眠障害を経験することがしばしばある。これは彼らのウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態であること)、安全、および健康にとって悪い場合がある。システマティックレビューの検索に基づき、個人向けの非薬物介入(薬を使わない介入)が、シフト労働者のシフト中の眠気を軽減し、シフト終了後の睡眠をより長く、より良くすることが出来るかどうかを評価した。

特定した研究

このレビューに含める17件のランダム化比較試験(参加者556名)を見つけた。私たちは、含んだ研究のほとんどで提供されたエビデンスの質を、低度から非常に低度と評価した。これらの研究は、3つの異なる種類の介入に分けることができる:(1)明るい光を浴びること、(2)夜勤中の仮眠の機会、または(3)その他(身体活動や睡眠教育など)。

主な結果

明るい光

調べたほとんど全ての明るい光の研究には、研究デザインに何らかの問題があった。この問題により、明るい光を浴びた人と浴びなかった人との間の眠気や睡眠の違いが、本当に明るい光の介入によるものなのかどうかを知ることが困難であった。またこれらの研究は、使用された明るい光の種類と対照群が受けた光の種類があまりにも異なっていたため、互いに比較することが出来なかった。

仮眠

仮眠群の研究では、仮眠がシフト労働者の覚醒を高めるかどうかを確かめるのに十分な情報が報告されていなかった。仮眠群の研究は一晩だけという非常に短いものであった。

その他

このグループの研究では、例えば身体運動や睡眠教育などが含まれているが、これらの介入がシフト労働者のシフト中の眠気を軽減するのか、あるいはシフト後の睡眠がより長く、より良くなるのかを述べるには情報が少なすぎた。

結論

結論として、個人向けの非薬物介入が、実際に眠気や睡眠障害があるシフトワーカーに影響を与えることが出来るかどうかを判断するには、あまりにも不確実性が高いと考えられる。確信を持つには、より頑強なデザインの研究で、研究デザインと結果をより明確に報告し、より多くの参加者を含み、より長い期間で実施する必要がある。また、研究では、参加者が「朝型」なのか「夜型」なのかを調べて、シフト労働者が適切な介入を受けていることを確認する必要がある。

このレビューの更新状況

2015年8月までに公表された研究を検索した。

訳注: 

《実施組織》木下恵里 翻訳、阪野正大 監訳[2020.07.25]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD010641.pub2》

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