難治性てんかん重積状態(RSE)の治療に対するプロポフォールとチオペンタールナトリウムとの比較

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持続的痙攣は、重症の罹患および死亡に関連する、主要な医学的緊急状態である。これらの痙攣は第一選択および第二選択の治療に反応しないことがあり、持続的痙攣または痙攣発作を罹患している患者の31%までに不応性が観察される。持続的痙攣活動は抗てんかん薬に対し不応性となることがある。チオペンタールナトリウムやプロポフォールなどの麻酔薬は、そのような場合に痙攣を制御するために投与されることが多い。どちらの薬剤にも副作用および合併症がみられる。本レビューでは、RSE患者の痙攣活動制御におけるこれらの麻酔薬に関するエビデンスを評価した。 RSE患者の治療に対する麻酔薬の選択を支持する良好な質のエビデンスは欠如していた。1件の試験しか同定できず、これは募集に関する問題のため早期に中止されていた。2つの薬剤間には示されなかった。認められた唯一のは、チオペンタール群での患者に対する機械的換気延長の必要性であった。これはチオペンタールの半減期が長いためであると考えられた。RSE治療における麻酔薬の有効性を検証する大規模なRCTの必要性は明らかである。

著者の結論: 

RSEの治療においてプロポフォールまたはチオペンタールナトリウムの有効性がそれぞれ互いよりも優れていることを明らかにする、頑健なRCTによるエビデンスは欠如していた。この重篤な病態に対する大規模なRCTが必要である。

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背景: 

難治性てんかん重積状態(RSE)などの制御されない痙攣活動において抗てんかん薬が無効であった場合、麻酔薬が使用される。痙攣活動を完全に制御するため、昏睡を麻酔薬により誘発する。チオペンタールナトリウムおよびプロポフォールは、この目的で広く使用されている。どちらの薬剤も有効であるという所見が得られている。しかし、臨床アウトカムという点で2剤のうちどちらが良好であるかに関するエビデンスはかなり不足している。

目的: 

2つの麻酔薬、チオペンタールナトリウムまたはプロポフォールのうち1剤を投与した場合のRSEに対する有効性、有害作用、短期および長期アウトカムを比較すること。

検索方法: 

Cochrane Epilepsy Group Specialized Register(2012年5月10日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ2012年第12-4号)、MEDLINE(1946~2012年5月第1週)を検索した。ClinicalTrials.gov、South Asian Database of Controlled Clinical Trials、IndMED(Indian Medical Journalsの文献データベース)も検索した(2012年5月10日)。

選択基準: 

チオペンタールナトリウムまたはプロポフォールのいずれかを用いたRSEコントロールに関するすべてのランダム化比較試験(RCT)または準ランダム化比較試験(盲検化の有無を問わず)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが検索結果をスクリーニングし、発表された全文を収集する前に関連性のある適格な試験の抄録をレビューした。

主な結果: 

1件の研究をレビューに利用できた。この研究は小規模、単盲検、多施設共同試験で、痙攣活動を制御するためにプロポフォールまたはチオペンタールナトリウムのいずれかを投与しているRSE成人を対象にしていた(Rossetti 2011)。この研究の信頼区間は広く、薬剤による有効性のは2倍を超えていた。痙攣活動の制御および3ヵ月時の機能的アウトカムなどの指標に関して薬剤間ののエビデンスはなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.12.27

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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