緑内障診断のための視神経とその線維の画像検査

レビューの論点
本レビューでは、共焦点走査型レーザー検眼鏡(市販名:ハイデルベルグ網膜トモグラム(HRT))、光干渉断層計(OCT)、および走査型レーザー偏光計(GDx)の、有リスク者における緑内障診断の精度に関するエビデンスをレビューした。これらの検査では、視神経乳頭の構造や神経の線維の太さ、またはその両方を測定できる。

背景
緑内障は、視神経に影響を与える進行性の神経変性疾患であり、神経変性部に対応する視野の欠損を生じる。このような症状の経過は、目薬や手術で眼圧を下げることで遅らせたり、止めたりすることが可能である。

研究の特徴
1万6,260個の眼(症例群:8353例、対照群:7907例)を分析した、106件の研究を同定した。そのうち、GDxを評価した研究は40件(5574人の参加者)、HRTを評価した研究は18件(3550人の参加者)、OCTを評価した研究は63件(9390人の参加者)であった。24件の研究はメーカーがスポンサーとなっており、15件の研究は研究資金の提供元が不明であった。緑内障の最終診断は、視野検査や視神経検査、あるいはその両方を含む臨床検査で確定される必要がある。しかし、本レビューの筆者らが期待していたような、2種類の検査を比較するという最も堅牢な検証方法を採用した研究や、日常の診療現場における有リスクの緑内障治療継続患者を含んだ研究は、見つからなかった。むしろ、緑内障の診断を受けたことのある人ではなく、緑内障のない人を対象とし、単一の検査機器の性能を評価した研究を発見した。文献の検索結果は2015年2月19日現在のものである。

主要な結果
すべての検査機器の性能は、研究間で非常にばらつきがあったが全体的には同一の結果となった。プライマリーアイケアで紹介された1000人のうち200人(20%)に明らかな緑内障が認められた。このうち、検眼士による機能的検査や解剖学的検査をすでに受けている人においては、GDx、HRT、OCTの中で最善の方法を用いた場合、緑内障患者200人のうち約60人を見逃す結果となった(感度70%)。また、緑内障のない患者800人のうち50人を誤って緑内障として認識した(特異度95%)。例えば、有病率を5%とすると、緑内障の家族歴のみを理由に紹介された人の場合、緑内障を有する50人中15人の患者が見逃され、非緑内障患者950人中約890人が緑内障ではないと認識される。

検査は、初期の緑内障よりもより重度の緑内障を検出することに優れていた。

エビデンスの質
ほぼすべての研究において、実際の医療現場のように緑内障リスクのある一連の患者にこれらの画像検査を行うわけではなく、健康な眼と緑内障の眼という厳密に定義された2グループを研究対象として選択している。そのためこれらの研究結果は、日常の診療で達成され得るものと比較して、検査機器の精度を過大評価している可能性がある。

訳注: 

《実施組織》森岡敬一朗 翻訳、冨成麻帆 監訳[2021.01.03]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD008803.pub2》

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