嚢胞性線維症におけるビタミンK補充

レビューの論点

嚢胞性線維症患者におけるビタミンKの補充が患者の血液凝固、骨強化、生活の質(quality of life:QOL)に対するビタミンK欠乏の影響を弱めるかどうか検討するエビデンスを評価した。この欠乏を予防するのに最適な投与量を決定するよう努めた。これは既報レビューの更新版である。

背景

嚢胞性線維症は遺伝性疾患で、特に肺、消化管および膵臓に顕著な病変が認められる。嚢胞性線維症患者の膵臓はしばしば消化した食物を適切に吸収できる十分な酵素を産生できないが、これはおそらくビタミンKのような脂肪分解ビタミンの欠乏と関係がある可能性がある。ビタミンKは適切な血液凝固、骨形成およびある種の代謝機能にとって必要である。

検索期間

このエビデンスは、2017年1月30日現在のものである。

試験の特性

今回のレビューでは2件の試験(参加者計32例)を対象とした。試験期間1カ月の1件の試験(8~18歳の小児14例)では、半数の参加者にビタミンKを1 mg/dayの用量で経口投与し、残る参加者半数には5 mg/dayの用量を投与した。2件目の試験ではボランティア18例(13~35歳)にビタミンKを5 mgの用量で経口投与もしくは無投与を1カ月間行い、その後もう1カ月間は他群に変更し行った。残念ながらこの2件目の試験データは試験医師が試験当初からのデータを記録していなかったため(ボランティア全員が両群に割り付けられた試験終了時のみ)、解析不可能であったので効果が投与によるものか無投与によるものかどうか判別不可能であった。

主要な結果

いずれの試験もレビューの主要アウトカム(血液凝固、骨形成、QOL)について言及していなかった。両試験において、血中ビタミンK値および実験的なビタミンKマーカー(低カルボキシル化オステオカルシン)が低い患者ではビタミンKを1 mgの用量での投与を1日1回1カ月間続けることによりこれらの値が正常範囲に戻ることが報告された。

エビデンスの質

試験が、計画したすべてのアウトカムの報告をしていること、そしてその結果にボランティアが試験を中止したことによるバイアスのリスクがなかったことは評価される。試験結果が試験設定の方法に影響を受けているのか、それと もボランティアがどちらの治療を受けているのかがわかる場合は(投与と無投与を試験で比較しているのは明らかであると思われるが)を決定できるほど十分に詳細がわかっているわけではない。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【 CD008482.pub5】

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