肋間カテーテルを有する新生児の罹病率と死亡率の低下のための抗菌薬予防投与

胸部にドレナージを留置されている新生児における抗菌薬予防投与を支持するエビデンスも、支持しないエビデンスも認められていない。病気の新生児では、肺の周囲から空気または液体を排除するため、経皮的に胸腔に管を挿入する必要が時折みられる。この過程で皮膚バリアを破るため、感染のリスクとなる恐れがある。この処置を最も必要とする児の一群は、その入院中に感染を発症するリスクが最も高い。感染リスクがある場合、抗菌薬予防投与が一般に行われるが、好ましくない影響が現れる可能性がある。レビューアは、肋間カテーテルが新生児に挿入された場合のルーチンの抗菌薬予防投与を支持するエビデンスも、支持しないエビデンスも得られなかった。

著者の結論: 

ランダム化試験による、新生児の肋間カテーテル挿入に対する抗菌薬予防投与を支持するデータも支持しないデータもみられなかった。肋間カテーテル挿入を要する新生児は、他の適応から既に抗菌薬投与を受けているという事実を説明するため、抗菌薬予防投与のランダム化比較試験が必要である。

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背景: 

肋間カテーテルは、気胸や胸水などの新生児の胸腔内貯留物のドレナージに一般に使用されている。肋間ドレインの留置は皮膚バリアを破ることから、院内感染のリスク因子の一つである可能性がある。したがって、肋間ドレナージの必要がある新生児、特に院内感染の高リスク群の新生児は、抗菌薬予防投与により利益が得られる可能性がある。しかし、軽率な抗菌薬使用は、微生物の耐性菌種の出現を促進するリスク、または感染病原体のパターンを変化させるリスクが伴う。

目的: 

肋間カテーテル留置を受けた新生児を対象に、抗菌薬の選択的投与に比べて、抗菌薬予防投与が死亡率および罹病率(特に敗血症)に及ぼす効果を検討すること。

検索方法: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的検索戦略を用いて、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2011年第5号)、MEDLINE(1948~2011年6月)、およびCINAHL(1982~2011年6月)を検索した。

選択基準: 

個々の新生児または乳児の集団を抗菌薬予防投与、あるいはプラセボ・無治療ランダム化しているランダム化比較試験(RCT)、または適切な質のある種の非ランダム化(準ランダム化)比較試験

データ収集と分析: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的方法を用いた。

主な結果: 

適格基準を満たすRCTを認めなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.8.29

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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