術後罹病率の減少を目的とした無陣痛帝王切開時における機械的子宮頚拡張

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著者の結論: 

術後罹病率の抑制を目的とした無陣痛帝王切開における機械的子宮頚拡張のエビデンスは不十分であった。術後罹病率の抑制を目的とした無陣痛帝王切開における指、スポンジ鉗子またはその他の器具を用いる術中子宮頚拡張と機械的拡張無施行を比較するような、十分な方法論的質を有するRCTをさらに実施する必要がある。

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背景: 

無陣痛時帝王切開において、一部の産科医は指、スポンジ鉗子またはその他の器具を用いて上からルーチンに子宮頚の拡張を行う。これは彼らが、無陣痛時の女性の子宮頚は拡張しておらず、血液や悪露の貯留を引き起こす可能性があると考えているためである。しかし、帝王切開時にスポンジ鉗子や指を用いて機械的子宮頚拡張を行うと、拡張時に腟内微生物による汚染が生じたり、感染や子宮頚部外傷のリスクが高まる恐れがある。

目的: 

選択的(緊急でない)/無陣痛帝王切開における機械的子宮頚拡張の、術後罹病率に及ぼす影響を検討する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年8月31日)を検索した。

選択基準: 

無陣痛帝王切開における指、スポンジ鉗子またはその他の器具を用いる術中子宮頚拡張と機械的拡張無施行を比較しているすべてのランダム化比較試験(RCT)または準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立して、検討対象とする研究を評価するとともに、対象となった各研究バイアスリスクを評価し、データを抽出した。

主な結果: 

合計735例の選択的帝王切開施行例を含む試験3件を検討対象とした。これらの女性のうち338例には、二重に手袋をはめた示指を子宮頚管内に挿入する術中子宮頚拡張が施行されており、397例には術中子宮頚拡張は施行されていなかった。対象となった試験3件のバイアスリスクは中~高であった。試験3件のうち、我々の主要アウトカムである分娩後出血を報告したものはなかった。女性400例を対象とした研究1件では、子宮頚拡張群の方が非拡張群よりも失血量が有意に少なかった[平均差(MD)-48.49 mL、95%信頼区間(CI)-88.75~-8.23)。術中子宮頚拡張群の術後期間における発熱性疾患の罹患率とヘモグロビン濃度は、子宮頚拡張無施行群と有意なはなかった。 [それぞれリスク比(RR)1.07、95%CI 0.52~2.21(試験3件、女性735例)およびMD -0.05 g/dL、95%CI -0.17~0.06(試験2件、女性552例)]。創傷感染、ヘモグロビン値の変化、術後期間のヘマトクリット値、子宮内膜炎、感染症罹病率または尿路感染症に有意は認められなかった。手術時間には有意が認められ、子宮頚拡張群で短縮されたが[MD -1.84分、95%CI -2.21~-1.47(研究1件、女性400例)、その臨床的意義は明確ではない。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.3.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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