進行性または再発性の子宮内膜癌におけるホルモン療法

著者の結論: 

ホルモン療法が、どのような形で、どういう用量で、または併用療法の一部として用いられた場合も、進行性あるいは再発性子宮内膜癌の患者の生存を延長したとするエビデンスは不十分であった。しかし、生存に対する効果を証明しようとするなら、多数の患者が必要であろう。今回選択したRCTのいずれにおいても有意を示すのに十分な数の患者を対象に含んでいなかった。立証されていた生存の改善を示さず、患者集団に異質性がある場合には、いずれかのタイプのホルモン療法を用いるという決定は、それが疾患を緩和するかという観点から個別に行なうべきである。今後の試験の主要目的として、QOL(quality of life)のようなアウトカム、治療効果、症状軽減などの緩和指標を、OSやPFSよりも優先すべきであるかどうかに議論の余地がある。

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背景: 

子宮内膜癌は子宮を裏打ちする膜の癌であり、世界中で女性がかかる7番目に多い癌である。子宮内膜癌の患者は、ホルモンを用いた治療が有益であると考えられている。

目的: 

進行性または再発性の上皮性子宮内膜癌に対するホルモン療法の適応、有効性および安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Gynaecological Cancer Group Trials Register、MEDLINE、EMBASE(2009年5月まで)、およびCENTRAL(2009年第2号)を検索した。また臨床試験登録、学術集会の抄録、選択した研究の参考文献リストも検索し、当該分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

進行性または再発性の子宮内膜癌と診断された成人女性を対象としてホルモン療法を検討したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自にデータを抽出し、バイアスのリスクを評価した。比較は単一試験の解析に限定したため、メタアナリシスのデータは統合しなかった。

主な結果: 

選択基準を満たした6件の試験(542例の参加者)を見いだした。これらの試験は、進行性あるいは再発性の子宮内膜癌の女性を対象とし、ホルモン療法単剤として、併用療法の一部として、低用量と高用量とを比較して、その有効性を評価した。すべての比較は単一試験解析に限定された。この解析において、単剤または併用療法としてのホルモン療法は、進行性あるいは再発性の子宮内膜癌の女性の総生存(OS)または5年無病生存(DFS)を延長するというエビデンスは見つからなかった。これに対して、低用量ホルモン療法は高用量ホルモン療法と比較して、OSと無進行生存(PFS)に関して有益となった可能性がある(OSとPFS でそれぞれ、HR 1.31、95%CI 1.04~1.66;HR 1.35、95%CI 1.07~1.71)。

訳注: 

監  訳: 大神 英一,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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