急性脳内出血に対するエダラボン

著者の結論: 

10件のすべての研究から、ICH治療に対するエダラボンの有益な効果または有害な作用についての結論は出なかった。さらに質の高い大規模なRCTが必要である。

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背景: 

脳内出血(ICH)は高い罹病率および死亡率の原因となる。ICH患者の予後は不良である。エダラボンは、安全であり、早期死亡のリスクの減少と生存者における長期の機能的アウトカムの改善に有効であると思われる。

目的: 

急性ICHに対するエダラボンの安全性と有効性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2010年3月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2010年、Issue 2)、Chinese Stroke Trials Register(2010年8月)、MEDLINE(1950年~2010年8月)、EMBASE(1980年~2010年3月)、12件の中国のデータベース(2010年8月)を検索した。進行中の試験登録、参照文献リスト、関連性のある会議録も検索し、エダラボンを製造している企業にも連絡を取った。

選択基準: 

急性ICH患者を対象に、エダラボンをプラセボと比較またはエダラボンとルーチン治療の併用をルーチン治療単独と比較しているランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立して、試験の質の評価、データの抽出、有害事象データの収集を行い、欠落している情報について試験実施者に連絡を取った。

主な結果: 

768例の参加者を対象とする10件のRCTを選択した。質は全般的に不良であった。すべての試験において、対照群は通常の治療/ルーチン(非プラセボ)であり、治療割り付けとアウトカム評価は盲検化されていない、あるいは記述がなく、主要アウトカム(長期追跡の終了時点での死亡または自立機能障害)は報告されていなかった。死亡を報告していた試験は1件のみで、エダラボン投与による死亡数の有意な減少は、予定投与期間中(RR 0.62、95%CI 0.11~3.50)および3カ月の追跡時点(RR 0.93、95%CI 0.20~4.32)のいずれにおいても認められなかった。4件の研究では、日常生活動作(ADL)を評価していたが、長期追跡の終了時点でADLスコアには有意な改善は認められなかった(MD 21.65、95%CI -6.98~50.28)。全研究のデータを統合したところ、エダラボン投与によって、投与予定期間の終了時までに神経学的障害の改善率は増加したが(RR 1.48、95%CI 1.29~1.69)、これが臨床的に重要な長期的利益と解釈できるかどうかは不明である。エダラボンについて報告された有害事象は軽度でよく見られた(9%)であったが、2群間で有害作用の有意は認められなかった(RR 2.09、95%CI 0.71~6.19)。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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