境界型卵巣腫瘍治療のための介入

著者の結論: 

境界型卵巣腫瘍に対する特異的補助療法の使用を支持するエビデンスは見いださなかった。最適量の化学療法薬および新しい標的薬を用いた補助療法の利益を評価するRCTが、特に進行性境界型卵巣腫瘍に対して必要である。境界型卵巣腫瘍の死亡率は低いので、無再発生存率、再発までの期間、罹病率をこのような試験における重要なエンドポイントにすべきである。

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背景: 

境界型卵巣腫瘍に対する温存手術の安全性や術後の付加的介入の利益は不明である。

目的: 

境界型卵巣腫瘍に対して提案される様々な治療モダリティの利益と有害性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Gynaecological Cancer Group Trials Register(2009年まで)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2008年第4号)、MEDLINE、EMBASE(2009年まで)を検索した。臨床試験登録、学術集会の抄録、選択した研究の参考文献リストも検索した。

選択基準: 

あらゆる組織学的異型の境界型卵巣腫瘍と診断された成人女性を対象として様々な介入を比較したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にデータを抽出し、バイアスのリスクを評価した。

主な結果: 

372例の女性を登録した7件のRCTを同定した。治療比較が異なっていたため、試験の結果を統合できなかった。15年以上前に行われた6件のRCT(n=340)は、根治手術後の補助療法(化学療法、骨盤部外照射、腹腔内放射性アイソトープ治療)を評価した。87%以上の参加者がstage Iの卵巣腫瘍を有しており、多くの参加者でフォローアップ期間は10年間以上であった。1件の試験(n=66)は化学療法(チオテパ)を受けた女性において生存率が有意に低い(P=0.03)ことを示したのを例外として、これらの試験の両群間で総生存率と無再発生存率はほぼ同じであった。治療有害作用は不完全にしか報告されず、6件の試験すべてでバイアスのリスクが高かった。生殖能温存を希望した両側漿液性卵巣腫瘍のある参加者を採用した別の1件の試験(n=32)は、超温存手術(両側嚢腫摘出術)群において温存手術(嚢腫摘出術と対側卵巣摘出術)群におけるよりも妊娠の機会が有意に増加し(ハザード比(HR)=3.3、95%CI 1.4~8.0)、早期再発の有意がなかったことを示した(HR=1.5、95%CI 0.6~3.8)。この試験バイアスのリスクが低かった。選択した試験においてQoL(Quality of Life)は実証されなかった。根治的手術と温存手術、あるいは、腹腔鏡下手術と開腹手術を比較した試験は見いだされなかった。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2011.3.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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